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Part1
​コロナ禍で…

関西学院大学栗田ゼミ防災班は2019年7月7日、多くの方のご協力を得て、避難所運営を体験する防災ワークショップを開催することができた。

 

そして、ありがたいことに2020年度も防災班に新しいメンバーを加え、パワーアップした防災ワークショップを開催することができた。

 

今回、開催した防災ワークショップは防災×ゲームという今までの防災史でも多分存在しなかったと思われるコラボレーションなのであるが、この特異なコラボレーションだからこそのメリットとデメリットが存在する。オンラインだからこそリアルな距離に関係なく参加できると同時に、ゲームという響きに抵抗感を表す方もおられるのではないかと不安だった。

 

今回のワークショップは何も、最初から順風満帆にスタートした訳ではなかった。

 

皆さんが肌で感じてられるようにコロナ禍というのはそれこそ本当に天災であった。

 

従来型のワークショップは突然できなくなってしまった。

どうしたものか。対面のイベントは絶望的になってしまった。このままでは今年度の開催が絶望的なものになってしまう…

 

これは実際にマインクラフトというゲームを使った避難所運営ゲーム『ひなんじょクラフト』(略称:ひなクラ)を開催するまでの前日譚である…

マインクラフト.png
Part2
予想だにしない危機のなかで​

コロナでありあらゆることが制限されてしまった。

私たちは代案策を必死に考えた。シンポジウムにしようか、zoomでも使って無理矢理してみようか。

 

しかし、どれも自分たちの目指すものの趣旨とかけ離れたものだった。

 

ただただ一応の形としてワークショップを開催することはできる。

しかし、開催する自分たちが面白いと感じないことや無意味だと思うことはしたくないという共通認識が私たちの中にあった。だからこそ簡単には諦めたくなかった。

 

毎日考えてはみるもののアイデアは全然でてこない。

 

悶々としていたなかに一筋の光明が現れた。それこそが『マインクラフト』だった。

 

私たちは対面で行うリアルなワークショップをどうにかしてオンラインというパッケージにすることにしか方法として考えていなかった。だが、私たちは発想を変えて『既にある仮想空間に防災ワークショップを導入する』という発想転換に踏み切ったのだ!その仮想空間こそがマインクラフトなのである。

 

マインクラフトを知らない方に向けて補足説明をしておく。マインクラフトとは、世界で最も有名なビデオゲームである。日本では「マイクラ」と略称され、四角いブロックを自由に配置し建築等を楽しむことができる。『LEGO』のインターネットゲーム版と思っていただいても良い。

 

要は世界で一番有名であり、自由度の高いゲームなのである。3Dの世界で自由に建物を建築したり、ベッドなどの装飾品を設置したりすることができる。なので私たちが去年おこなった避難所運営ゲームのバージョンアップができると踏んだのだ。

Part3
初めてという難しさ​

遂に「ひなんじょクラフト」を本格的に進めていくこととなった。

 

なんせ、マインクラフトを使った防災教育などきっと世界初なので、すべてが前例の無い新しい試みである。

 

そしてその分難しい問題も山積みである。

 

まずは4人いるメンバーのうち、マインクラフトをやったことのあるのが1人だけだったことだ。浮かんだ構想や、昨年開催した避難所運営ゲームをマインクラフトに落とし込んだりする方法を共有することが難しかった。なのでメンバーでマインクラフトを遊ぶことから始めた。

 

これがなかなかに楽しい(笑)

 

実は後輩も入ってきたばかりだったので、マイクラを通して仲良くなることもできた。我がチームメンバであり、いつもは経済学の勉強しかしていない勉強オタクのO氏も「なかなかに楽しいなぁ。自由度が凄い。」とご満悦だった(笑)

 

ある程度、全員がマイクラというものを理解し始めたので、実際に避難所運営ゲームのシステムをマイクラに落とし込む作業を始めた。

 

主な問題として浮上したのは以下の三つである。

・スピーディーさ

・熟練度

・マイクラの利点を組み込むためには

 

【スピーディーさ】

もともと行っていた避難所運営ゲームはカードゲームであった。初めてプレイする人でもある意味カードを並べるだけでいいので、パパっと進めることができる。また、平面図にカードを並べるので、どこの部屋がどれだけ空いているかが分かる。だが、マイクラは3Dということもあり、どこに自分がいるか分かりにくい場合がある。

【熟練度】

これは先ほどのスピーディーさにも通じる話だが、やはり今までにゲームをプレイしたことがあるかどうかによって本人の満足度が変わってくる。しかし、マイクラを操作することは必須なので、初めての参加者にどう説明するかが鍵になってくることが分かった。

 

【マイクラの利点を組み込むためには】

避難所運営ゲームの強みは対面でプレイごとに参加者の個性が結果として反映されることが重要になってくる。イベントカードや多種多様な個人の特性、張り紙の存在などが強みとなっているからだ。これをどのようにマイクラのシステムを使って表現するかが課題である。

 

​さて、どうしたものか…

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