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10月日本語論文【中学生の日常的ストレスにおけるレジリエンスの意義】

長田春香, 岩本文月, 大秦加奈子, 岡田洋子, 蒲原由記, 筒井翔子, ... & 関秀俊. (2006).

『中学生の日常的ストレスにおけるレジリエンスの意義.』小児保健研究, 65(2), 246-254.


【要約】 

中学生の日常生活におけるストレスを乗り越える力を明らかにするため,中学1年生から3年生の 3192名を対象に,ストレッサー,ストレス反応およびレジリエンスに関する質問紙調査を行った。学業関連,部活動関連,教師関連,友人関連,家族関連の各ストレッサーと,因子分析で得られたレジリエンスの構成因子を独立変数とし,抑うつ反応,身体反応,攻撃的反応の各ストレス反応を従属変数として重回帰分析を行った。レジリエンス構成因子である問題解決能力,感情の共有と制御,周囲からの支援,安らげる家庭の因子は,日常的ストレッサーの存在下でストレス反応を軽減していた。


【感想】

この論文は今年度の私たち子ども班が行う研究と大きくかかわる内容なので紹介させていただきました。レジリエンスというのは「困難な状況下でもそのなかで乗り越えていける力」です。近年、厚生労働省が「生きる力」としてさまざまな取り組みを行っていますが、その「生きる力」とはいったい何なのか?人によっては解釈が異なると思います。最低限毎日の身支度ができればそれは立派な生きる力ですし、こうして私たちが生きているだけでもう生きる力は備わっているのかもしれません。ですが、今回私たちが研究として解釈している生きる力とは、「学校という世界から飛び立った時、社会の荒波の中でもしっかりとやり遂げていく力」だと解釈しています。その力を具体化すると、この論文でも登場する「レジリエンス」なのではないかと思います。このレジリエンス尺度のみで子どもたちの生きる力を一概に表すことは出来ないかもしれませんが、生きる力の一側面として研究に生かしていきたいと思います。レジリエンスの養成には、やはり家庭の影響も大きいことが分かります。家庭の問題について私たちは踏み込むことは出来ませんが、そのほかの感情の共有や問題解決能力などにはアプローチできる道もあると思います。できる限り具体的に研究を進めていこうと思います。

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