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【6月日本語論文】アクティブラーニング型高校世界史授業の効果と受験対応に関する一考察-テキストマイニングを用いて

中村怜詞. (2019). アクティブラーニング型高校世界史授業の効果と受験対応に関する一考察-テキストマイニングを用いて. 学校教育実践研究, 2, 41-59.


<概要>

近年、アクティブラーニングが学校教育の授業内で取り入れられてきている。アクティブラーニング形式の授業は、学生に対して知識の定着、思考力の向上を促すことができることが研究でも明らかとなっている。しかし、授業によっては入試やテストなどを考慮した場合、アクティブラーニングを行うことが難しい科目も存在している。数学や理科などといった理系の科目は比較的にアクティブラーニングを行うことが容易な場合が多い。しかし、社会などの範囲が膨大で、暗記が必須となる科目においては、アクティブラーニングが現実的ではない。そのような影響から、社会におけるアクティブラーニングの効果を検証した研究はほとんどない。本研究は、そのような社会科目においてアクティブラーニングの効果を検証したものである。対象となったのは、高校世界史の授業で、従来の講義型授業、講義形式にアクティブラーニング形式を組み合わせた授業を行い、効果の差を見た。期間としては、2年間にわたり実施され、効果測定には質問し調査と模擬試験の結果を用いた。結果として、アクティブラーニング形式を用いた授業を受けた生徒の方が、自身が学んだ内容を整理して覚えることが出来ており、歴史が暗記科目であるという認識が学年が進むごとにほぐれていったということも分かっている。そして、模試に関してもアクティブラーニング形式授業を受けた生徒の方が、最終的により良い結果を取っていることが明らかとなった。



<感想>

私が高校時代に受けた世界史の授業も多くの場面で講義型のものが多く、アクティブラーニングのような形式はほとんどなかった。講義型はどうしても授業時間、その日の疲労度などから、眠たくなって集中できない場面も多かった。私は他の学生と比べてもともと歴史科目に興味があり、意欲があったため、そのような状況でも知識を蓄積していくことが可能だったが、ただ意味のない文字の羅列を暗記していくことがしんどいと感じる場面もあった。なかでも、世界史に全く興味のない周りの学生は特に覚えることに苦労をしていた印象を持っている。この研究で触れられたアクティブラーニング形式の授業が社会などの暗記科目でも導入され始めると、より一層社会を学ぶことの喜びや意義のようなものを感じられる学生が増えるように思う。このようなポジティブな効果があるのであれば、少しでも改善を行い、一人でも多くの学生が社会科目を楽しいと思えるような授業構築が教員、学習指導要領の改善に求められるだろう。

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