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11月日本語論文【外国ルーツの子どもにとっての食の意味】
〈要約〉
本稿では、外国ルーツのある子供(在留外国人が日本に滞在している間に生まれた子ども、あるいは出身国から呼び寄せて日本で育った子どもたちを指している。)と定義されている子どもたちの食の実態を明らかにするとともに、彼らにとって日常生活における「食」がどのような意味を持っているのかについて考察されている。調査対象は、主に静岡県在住のブラジル人学校の児童生徒である。
本稿では、日本の公立学校の生徒と外国ルーツの児童生徒の食に対する考え方の違いが考察されている。日本の公立学校の児童生徒の間では、給食を日常的にとっている児童生徒の方が規範的な食習慣を身に着けている傾向が高く、同じものを食べることの楽しさや重要性への認識が強い傾向があることが認められた。一方で、外国ルーツのある子どもにとって食は単に栄養摂取の場であるだけでなく、コミュニケーションの場としての意味を強く持つ可能性が示唆されていた。
〈感想〉
この論文では日本の学校に通う生徒と外国ルーツのある生徒の間における「食育」の認識の差について考察されていた。私は、日本の学校給食における食育とは、食事のマナーを学ぶことや地元の野菜を使用している給食を食べることで食に対する関心を高めることだと考えていた。しかし、給食を食べている日本人の子どもたちとは違い、外国ルーツのある子供たちは自由に昼食を選択できる形式を取っている。彼らにとって給食は、彼らの固有の文化を奪い、日本の文化を新たな文化として強要する「奪文化的教育」的な側面があることを学んだ。その考え方はこの論文を読むまでは私の中になかったモノの見方なので、これからは外国ルーツのある方に対しては私たち日本人が当たり前だと思っている文化を押し付けず
に分かり合えたらよいと感じた。
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