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執筆者の写真Chilex

12月日本語論文 【中学生のコンピュータ教育に対する態度】

高山草二『中学生のコンピュータ教育に対する態度』 (1992)

教育情報研究 第7巻 第3号



【要約】

 現代社会ではコンピュータがあらゆる領域で使われ始めている。最初コンピュータは計算をする機械であり、その利用も限定されていたが、最近では記号を処理する機械としてその利用領域を広げてきた。このような高度技術の浸透は人々に複雑な反応を引き起こすと共に、利用領域によってもその反応は異なる。

 コンピュータ教育の成否はこれを受ける児童生徒の態度によっても左右されると考えられる。そこで、情報基礎の導入が予定されている中学生について、コンピュータやその関連機器の使用経験、態度尺度、SD尺度の側面から調査をした。その結果、中学生はコンピュータに対して多次元的な態度構造やイメージを持つことが明らかになった。コンピュータ使用経験は男子の方が多いが、態度やイメージでは男子の方が肯定的ということはなく、むしろ女子の方が肯定的な態度が見られた。また、3年生と比較して1年生の方がコンピュータに対してより肯定的であることが分かった。およそ77%の生徒がコンピュータに関心を示しているが、残りの23%の生徒は無関心であるということが判明した。この無関心群は性別、学年、理科・数学嫌いとは全く関係はないが、態度やSDイメージの多くの次元で否定的であった。


【感想】

 コンピュータの普及が当たり前となった現代において、1992年に執筆された「中学生のコンピュータ教育に対する態度」という題材の論文を読んでいる時間は非常に有意義であり、時代の凄まじい変化みたいなものを感じさせられた。今や、中学生よりも幼い子供がごく普通にスマートフォンやタブレットを操作している。コンピュータがなくてもスマートフォンを一台所有していれば、ほぼすべてのことをこなすことができるようになった。そのためか、コンピュータというワードが古臭いものに感じてしまう。当時は、コンピュータに無関心な態度をとっていた23%の中学生も現在は立派な社会人になり、コンピュータよりも優れた新しい機器がたくさん発明され、そのような機器なしでは暮らしにくい世界で過ごしていることを考えると、少し面白く感じる。中学生への調査により、コンピュータの使用に対する態度に性差は見られないということが判明したが、この結果は私の想像とは異なるものであった。私は時代背景的にも男子の方が肯定的な態度をとり、肯定的な態度をとる女子は少ないという調査結果になる、そう予想していた。これからの学校教育には、コンピュータ教育はもちろん、スマートフォンやタブレット、各SNSの正しい使い方などを改めて教える授業が必要不可欠であると考える。




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