12月英語論文【Modeling Student Motivation and Students’Ability Estimates From a Large-Scale Assessment】
Carlos Zerpa,Krystal Hachey, Christina van Barneveld1 and Marielle Simon.(2011)
"Modeling Student Motivation and Students’Ability Estimates From a Large-Scale Assessment"
【要約】
期待価値理論を用いて学習意欲と学習への努力度が数学テストスコアにどのような影響を与えているのかを実証的に分析した。階層線形モデルを利用して、学校ごとの相関を取り除いて学習意欲と数学テストスコアの関係を検証した。その結果、学習意欲の中には、タスク価値と努力因子が存在しそれらが学習意欲を高めることが分かった。また、その学習意欲が数学のテストスコアに正に有意になることが明らかになった。その学習意欲には数学が好きであるという質問項目や数学が得意であるか、などの数学のテストスコアに与える影響を多く抽出し、学習意欲との関係性を多面的に分析している。期待値理論によって定義されたモチベーションと学生の努力は、生徒の能力の推定値を部分的に説明し、テストに転送される情報に影響を与える可能性があることが分かった。
【感想】
学習意欲が大事というのは言われてきていましたが、その学習意欲が何に影響を与えているのか、についてはなかなか具体的に考えることはありませんでした。この論文では、そのような何に影響を与えるかについての一つの示唆を与えてくれました。それが「数学の」テストスコアだったことです。テストスコアといった「学力」に影響を与えるというのはイメージがつきそうですが具体的にどの教科がどの能力が上昇するのかについては意外と分からないものです。そこでこの論文ではそのような具体性という面で興味深い研究だとお思いました。また、階層線形モデルを利用しておりクラス特性をうまくコントロールしている点が私たちの来年の研究の分析も活かせるだろうと思いました。
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