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1月書籍【外国人の子どもの教育―就学の現状と教育を受ける権利―】宮島 喬

【要約】

本書は、外国人の子どもあるいは外国につながる子どものうち、とくにニューカマー外国人の子どもたちの教育をめぐる課題について、社会学者である著者が1990年代初頭からの長年にわたる調査と考察の成果をまとめたものである。著者は文化的・社会的背景を異にする外国人の子どもへの教育の保障のために3つの基本課題を提示している。1つ目がホスト国言語の能力および必要な基礎学力、2つ目が母語・母文化の教育の保持・発展、そして3つ目が文化尊重、文化理解の環境整備である。これらの課題をめぐっては、ニューカマー外国人が増加した1990年代以降国や文部科学省、 地方自治体の施策として進展した点がある。一方で、依然として解決されていない部分も多々残っている。相互的変化という多文化共生の基本に立ち戻り、著者は3点の課題を提示している。1つ目が「一条校主義」と表現しうる日本的な教育制度の変化と、学校のなかでの多文化教育プログラムの実現などカリキュラムの見直し、2つ目が「人」つまり教育を担うエイジェントの多文化、そして3つ目が衡平・公正の理念に沿った学習支援と制度改革である。


【感想】

私の学生生活を振り返ると、外国人の子どもがクラスにいたことがあった。その子は幼い頃に日本に移住してきたため、日本語がペラペラで勉強熱心でクラスでも元気に発言するような活発な子であり、非常に仲が良かった。そのため、本書で書かれている実態に置かれている外国人の子どもと実際に触れ合ったことがない。だが、本書で述べられている問題は非常に根深い、日本が抱える大きな課題だと感じる。日本という少し閉鎖的な国において、外国人の子どもの教育を保障することは難しいと考える一方で、外国人の子どもが教育を受ける権利を保障しようという姿勢が教育委員会や学校に徹底していない現状には憤りを覚える。そのため、教育委員会や学校、国にはその姿勢を早急に改めてもらい、外国人の子どもが十分に教育を受けることのできる環境を整備する施策を一刻も早く構築してほしいと考える。日本は少子高齢化の影響から、外国人の働き手に頼らざるをえないという現状に置かれている。だからこそ、本書で述べられていることは非常に重要であり、山積みとなっている課題に真摯に向き合い、これからの日本の未来のためにも外国人の子どもの教育を受ける権利を確保するべきだと考える。


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