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3月日本語論文【不登校児童生徒への対応にフリースクールが 果たす役割の変容 ──行政との連携による影響に着目して── 】

不登校児童生徒への対応にフリースクールが 果たす役割の変容 ──行政との連携による影響に着目して── (2016) 武井 哲郎 【要約】 この論文の目的は、民間のフリースクールが行政との連携を図ることによっ て受ける影響を明らかにしたうえで,不登校児童生徒への対応にフリース クールが果たす役割を再考することにある。 そこで公費の助成と公的な認証がフリースクールにもたらす影響について分析した。 その結果、行政との連携を深める過程でPACE(フリースクール)が手がける事業の拡大 とそれに伴うスタッフの多忙化が生じたことは確かだが,他方で,財務面の 安定性が高まったことにより,経済的に厳しい環境にある家庭の子どもをこ れまで以上に受け入れることが可能となった。 分析の結果から指摘しなければならないのは,フリースクールに集う子どもたちが抱える困難の質が変わる可能性についてだ。公費の助成を継続して受けることができれば,会費収入のみに依存しない運営体制が構築され,経済的理由か ら会費を納めることが困難な家庭の子に対しても,フリースクールの門戸を 開くことが可能となる。他方,公的な認証を得ることによりフ リースクールの認知度・信頼度が上がれば,学校や教員はもちろんのこと児 童相談所や福祉事務所からも紹介がなされるようになり,不登校の背後に困 難な家庭環境を抱えた子が増加する。その結果,適応指導教室では受け入れが困難なケースや,義務教育段階終了後も継続してかかわること が必要なケースなど,通常の不登校支援の枠組からこぼれ落ちる子たちの受け皿として,フリースクールは機能することになる。 しかし、家庭においても困難な状態にある子ども達が集うようになれば、フリースクールは単に居場所ではなくなる。子ども達の生活までを支えるのであれば、行政との連携も必要となってくる。そのため、今後は不登校の背後に困難な家庭環境を抱えた子どもの包摂に向けたネッ トワークを,教育部局・福祉部局・フリースクールの三者で構築することが 必要となるだろう。 【感想】 先日、子ども班全員でフリースクールへと見学に行きその実態についてより詳しく知るために本論文を選んだ。不登校の子どもは年々増加傾向にある。学校に通えない子どもにとっての居場所となる場所は必要であると私は考える。同時に、フリースクールは単に居場所だけでなく、 学校に通えない子どもも、教育を受けるための選択肢となることが出来れば、より多くの子どもにとってより良い社会となるのではないだろうか。不登校児という言葉が使われない、そんな社会になるように日々活動していきたいと私は考える。


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