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8月日本語論文【子どもの「不読」現象の背景要因は何か?「第57回 学校読書調査」の分析結果に基づく再考察】

腰越滋. (2016). 子どもの 「不読」 現象の背景要因は何か?

「第 57 回 学校読書調査」 の分析結果に基づく再考察.



<要約>

この研究では、子どもが読書をしない背景とは何かについてアンケート調査から分析を行い、定量的に結果を示している。特に2000年以降の小学生、中学生、高校生に焦点を絞っている。この世代はインターネットやケータイの影響を在学中に大きく受けている生徒が多い。先行研究としては、不読の子どもが増えた背景や原因の他に、不読が学力に及ぼす影響や家庭状況の読書への影響をあげている。この分析では、読書量に影響を与えるものとして、学校外での時間の使い方、またそれに費やす時間数を採用している。以上を分析した結果として、学校外での時間を部活動、スマホ、ゲーム等に費やしている生徒は読書量が少ないことが明らかとなった。男女別にみると、ゲームが男子の場合は有意を示しているのに対して、女子はゲームは有意を示しておらず、スマホが有意を示していた。また、高校生は部活動が読書量の少なさに影響を与えていた。この論文の課題として、親などの過程状況が十分に考慮されていない点、質問項目の詳しさが乏しい点が挙げられる。だが一方で、学校外での時間の使い方については親が介入する余地がある。また、読書を小学校、中学校時代に行っていた成人は、他の成人と比べて「社会性」、「意欲・関心」、「自己肯定」等が高いということも以前の研究で分かっている。どのような環境で読書活動が促進されるのかの研究促進が必要とされる。

<感想>

学生の読書量を何が妨げているのかということは、結果を見る前でもある程度予想はできた。しかし、そうであるにしても読書の力というものを学生は軽んじ過ぎているのではないかと私は思う。特に読書よりも容易な娯楽がはびこっている現代だからこそ、読書量の増加は必要となってくると思う。私はこの論文の最後で取り上げられていた、読書経験のある成人の方があらゆる面で高い意識を持っているというのは知らなかった。そのようなことを知らない学生は多いと思う。私も今になってこの側面の重要性が分かるようになってきた。だからこそ、小中高生には読書量を増やして、少しでもあらゆる面での興味・関心という力を育んで欲しいと思った。

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