top of page

【10月日本語論文】家庭学習と連動した授業モデルの提案:「協働的な学び」を通した「個別最適な学び」の実現を目指して

執筆者の写真: ChilexChilex

和田佐和子、藤川聡、木下俊吾(2021)



<要約>

 家庭学習とそれに連動した授業を行うことは、児童が自立的な学び手になるのを助けるだけでなく、個別最適な学習を実現することに有効である。自立的な学びを促進する背景には、コロナ禍の学校休業中に学校や先生の指示がないと学びの継続が困難であることから、家庭で自立的に学習する困難さが明らかになったことにある。本論文では、アクティブラーニング型反転授業論をもとに、家庭学習と連動した授業モデルを提唱する。これは宿題を復習中心から予習中心へと変更し、予習過程での「生わかり状態」を経て、授業の協働的な学びあいの中で予習によって得た知識を活用して深く理解することができる、というものである。これらにより、児童は学習が役立つことを実感でき、次の学習への意欲となることで、自立的な学びが可能となる、と結論付けられている。家庭と学校での学習のサイクルを回すことで、卒業した後も自立的に学習に取り組むことができることが期待される。


<感想>

 学びを深める方法として、授業で習ったことの復習として宿題を課すのではなく、予習という形であらかじめ「生わかり状態」を経ることは、非常に効果的だと考える。これは本文でも言及されているように、問題や知識の内化に時間をかけることができ、また自分のペースでそれを行うことが可能だからである。本文では、家庭学習が授業で活用されたり、疑問が解決されたりすることで、自分の考えを広げることができて授業の有用感を感じることができる、と説明されている。しかし私は、児童が十分に予習することができるのか、懸念されると考える。学習意識や意欲が高い児童は予習をすることで学びを深めることができると分かり、十分な予習をすることができるが、予習の意味や価値を理解できない児童は、十分な予習ができないのではないかと考える。さらにその状態で授業に参加することで、両者に学びや理解の差が現れるのではないかと考える。その点について、教師や学校側の工夫が必要だと思った。



閲覧数:10回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Commentaires


bottom of page