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【2月 日本語論文】子どもの運動意欲を支える心理社会的要因

松平 宗之・高井 和夫 (2010)「教育学部紀要」文教大学教育学部 第44集


<概要>

本研究では、児童の運動意欲に関わる心理社会的要因を明らかにするため、児童585名を対象に生活習慣要因、身体活動への心理社会的要因、身体活動量、学校体育への運動意欲から成る調査用紙により検討を試みた。相関分析を行ったところ、児童の運動意欲に関連する要因として(1)食事・睡眠を始めとする健全な生活習慣、そして座位中心の生活が少ないこと (2)運動への心理社会的要因、体育授業、及び家庭環境への肯定的かつ積極的評価、(3)日常生活全体における身体活動量の高さが週間全体の身体活動量に正の貢献を示すととともに、上で述べた3つの側面が「活力サイクル」のように好循環し、結果的に学校体育への運動意欲を促進すると示唆された。ただし、高学年児童、特に女児においては思春期に近づくに伴い身体活動量が低下する傾向があるため、児童・生徒の発達期全般における活動的なライフスタイルの在り方と支援方法について具体的に議論する必要がある。


<感想>

私たちの研究では学力に焦点を充てたものが多いため、運動意欲などの論文に新鮮さを感じる。近年、子どもの身体活動量及び体力の両面における低下傾向が続いていることは、コロナ禍の以前にニュースで何度か耳にしたことがある。コロナ禍により、この傾向は子どもだけでなく大人にも大きな影響を及ぼしている。そのため、社会問題と位置付けることができるかもしれない。本研究結果から運動ぎらいの発生メカニズムの中で、運動能力の低位に対する劣等感が大きな要因として存在していることが判明した。私はこの結果に大いに納得する。自分に能力がないと感じるモノを好きなモノとして捉えにくいと考える。その一方で、運動は私たちの生活習慣に良い影響を与えるため、大学生となった今では自分なりの方法で適度な運動を生活に取り入れたいと思う。


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