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【3月 日本語論文】中学生の睡眠習慣と 感情コントロールとの関連について

服部伸一(2012)小児保健研究


<概要>

本研究では、岡山県内の中学生668名を対象として質問紙調査を行い、気分の調節不全傾向尺度を用いて、睡眠習慣と感情コントロールとの関連について検討した。調査は、2010年9月に行った。その結果、気分の調節不全傾向の陽性率は、全体7.8%、男子6.3%、女子9.3%であった。また、睡眠習慣との関連をみたところ、男子では、陽性と判定された者は、陰性だった者に比べ、中途覚醒、睡眠不足感、就寝時刻の規則性および授業中の居眠りの 4つの項目すべてにおいて割合が高くなっていた。 一方、女子では、陽性と判定された者は陰性と判定された者に比べて、平日と休日前夜の就寝時刻とも遅くなっていた。また、陽性と判定された者は陰性と判定された者に比べて、平日と休日前夜の就寝時刻の差が大きく、ぐっすり眠れないと答えた者の割合が高かった。 以上より、中学生の感情コントロールの良否は、睡眠習慣と関連がみられることが示唆された。


<感想>

中学生という多感な時期において、感情コントロールに焦点を充てる研究の意義は大きいと考える。また、成長期に欠かせない睡眠との関連性をはかることで、本研究の面白さが倍増する。何となくではあるが、自身の経験からも睡眠をしっかりとる方が感情を制御できると考える。睡眠時間を阻害する要因なども明らかにできると細かいアプローチが可能になる。その要因として、スマホやゲームのし過ぎなどを考えたが、両親が共働きで自分よりも幼い子ども、もしくは介護を必要とする人がいる、問題視されているヤングケアラーに値する子どももいるかもしれない。現在の子どもたちが実生活上で直面している問題は一口に言えない。今回の研究では関連が見られただけで、計量モデルを用いての因果関係は明らかになっていない。次年度の論文ではそういった生活習慣に関する事柄を扱うことも検討したい。




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