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【3月 書籍】 眠りで育つ子どもの力

眠りで育つ子どもの力 (2008) 白川修一郎 東京書籍


<要約>

 文部科学省の平成17年度義務教育に関する意識調査の中間報告で、小学生・中学生の多くが午前0時以降に就寝していると報告されている。登校日では、起床時間が授業開始刻に規制され、8時間の睡眠どころか7時間の睡眠時間すら確保できてない子どもが多い。日本の子どもの睡眠時間は、世界では最短で最悪であろうと推定されている。戦後の高度成長期、テレビの普及率、バブル崩壊後など、睡眠時間が急激に短くなった時期がある。睡眠への軽視が、大人における睡眠時間の短縮をもたらしているものと思われる。睡眠が悪化すると、自分の未来に希望が持てず方向性が見出さない子ども、社会性を持てず倫理的な判断が出来ない子ども、問題行動を起こしやすい子どもが増加すると考えられている。ニートの増加や倫理観の欠如を、悪化した子どもの睡眠が後押ししている可能性がある。今の日本では、子どもの未来と能力の育成を左右するカギとして、睡眠が重要な要因となっている。


<感想>

 本書を通じて、あらゆる生物が生きていくためには欠かせない睡眠の重要性を非常に感じた。睡眠が子どもの成長にこんなにも大きく関わるとは考えてもいなかった。私は睡眠時間の短縮により、勉学に集中することが難しくなり、子どもが本来なら発揮できるであろう学力よりも実際は低くなってしまう、そのような影響が子どもに及ぶと考えていた。だが、本書では睡眠時間の短縮が、自分の未来に希望が持てず方向性が見出さない子ども、社会性を持てず倫理的な判断が出来ない子ども、問題行動を起こしやすい子どもの増加につながると指摘されており、睡眠時間の短縮は私の考えをはるかに超える悪影響を子どもに及ばすことを学んだ。現在の子どもたちはスマートフォンなどから発せられるブルーライトを目に吸収する生活を過ごしている。ブルーライトは良い睡眠を阻害するため、本書が執筆された当時よりも子どもたちの睡眠時間は短縮されて質は低下していると考える。日本では大人の睡眠時間の短さは問題視されているが、将来の日本のために子どもの睡眠時間にも目を向けていくことの必要性を感じた。


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