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【5月書籍】キャリア教育-自立していく子どもたち-
東書アクティブ (2008) 渡辺三枝子
<要約>
物質的に豊かになり、子どもの数が少なくなった日本社会において、久しく、子どもの自立を遅らせるような大人の態度が問題視されている。それは、自立できない大人が目につくようになったからかもしれない。現代社会は自立を重視しているが、他方で、自立を困難にするような状況を作り出しているとも言える。そのため、現代社会において自立をすることは子どもにとっても大人にとっても容易ではない。キャリア教育は「変化の激しい時代において自立的に生きていける力を養うことが幸せな将来に不可欠である」という大人の思い込みが生み出したものともいえる。キャリア教育とは子どもたちのためのものではなく「子どもの幸せな将来を望む」保護者の思いを実現するのに役立つ指針であり、「自立できる子ども」を育てるための指針でもある。
<感想>
キャリア教育と通ずる生きる力の高まりは、20代で起業する人が増えていることに表れていると考える。自分の人生に責任を持ち、自分の足で歩もうとする姿には少しの憧れを抱く。その一方で、キャリア教育が目指している精神的な自立はどうなのだろうと、考えさせられた。私は、自分の将来をプラスに捉えて人生を考える子と、マイナスに捉えてしまう子の二極化が進んでいるイメージを持つ。もしくは自立をしたいと本人が願っていても、環境のせいで自立できないケースも考え得る。学校教育ができることや届く範囲は限られているからこそ、その中で何をどのように子どもたちに提供するべきか考えるべきである。加えて、学校外教育のアプローチ方法も一緒に議論すべきだと考える。
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