【7月英語論文】Enhancing Young Children’s Language Acquisition through Parent-Child Book-Sharing
Heather A. Knauer Pamela Jakiela Owen Ozier Frances Aboud Lia C.H. Fernald (2019) Policy Research Working Paper
<要約>
世界では、2 億 5,000 万人の 5 歳未満の子どもたちが、幼児期に十分な栄養と認知的な刺激を受けられないために、発達の可能性を満たせていないと言われている。いくつかの親の支援プログラムは、子どもの発達に大きな効果があることが示されているが、これらのプログラムは費用がかかるプログラムが多く、なかなか実現は難しいという現状がある。本研究では、親による認知的な刺激を増加させ、子どもの創造的な識字能力を向上させるために、費用対効果の高いさまざまな介入実験を実施することで子どもにどのような影響を与えるのかを検証する。親の訓練と文化的に適切な児童書の提供を組み合わせて行うと、就学前の子どもの読書頻度が増加し、養育者と子どもの読書の相互作用の質が改善された。トレーニングを含む治療により、絵本特有の表現語彙を発するようになり、言語能力を発展させることになった。読み書きのできない養育者の子どもは、読み書きのできる養育者の子どもと少なくとも同じくらいの効果があった。いくつかの結果では効果は同等であったものの、読み書きのできない養育者の子どもの方が異なるほど大きな効果があった。
<感想>
本研究の結論を通して、子どもたちにただ絵本を渡すだけではなく、その絵本を母親に共有していくことで子どもたちの世界がより広がっていくことを知りました。私が所属しているBFCで作成した教科書に関しても、母親に教科書のことを伝えてから子どもたちに渡した場合と、母親には教科書のことを一切伝えず、子どもたちに渡した場合では、教科書による子どもたちの学力への影響に差がでるのか、気になりました。日本では、共働きの家庭が増加しているため、母親への情報共有は一定の効果をもたらしそうだと思いました。仮に、子ども班で今後、教科書もしくは絵本を用いて実験的なことを行う場合は、渡す方法のデザインや、母親へのアプローチを考える必要があると思いました。
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