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【9月 日本語論文】高校生の進路選択の構造

富永美佐子 (2010) キャリア教育研究 


<要約>

 近年、高校進学率は 98%と義務教育化し、さらに大学に進学することも一部の大学・学部を除けばさほど難しくない状況(望月、2004)である。そのような状況下で、職業について考えたり、選択・決定することを先送りする傾向が強くなり、進路意識や目的意識が希薄な まま”とりあえず ”進学する若者が増加している(文部科学省、 2006)。この傾向は、フリータ ー志向の広がりや無業者の増加、就職後の早期離職等「学校から社会への移行」に関わる問題へとつながることが懸念され、若者がそれぞれにふさわしい進路を形成していくために必要な能力、すなわち進路選択能力を育成すべく、キャリア教育が推進されている。進路選択能力とは進路選択という課題を解決するのに必要な力やスキルであるが 、この進路選択能力とともに職業興味の発達や職業的行動の予測に強い関連が明らかになっているのは進路選択自己効力である(BetZ,2001;Brown ,Lent,& Gore, 2000)。進路選択自己効力とは、個 人が進路を選択するにあたって必 要な課題を成功裡に収めることができるという信念(Betz,2001)であり、これまでの研究は廣瀬(1998)や富永(2008)によってレビューされている。進路選択行動との関連は、Gushue、Clarke、 Pantzer& Scanian(2006)が高校生を対象に、進路選択自己効力とキャリア探索活動との間に強い正の相関を認める結果を示している。


<感想>

 とりあえず進学する若者が増加しているという事実はあるが、最近の若者は早い段階から将来を見据えて行動している人が多いという印象を受ける。つまり、自分の強い意志のもと自分の将来を決める若者である。私はひかれたレールの上を歩いているような人生だったため、とりあえずもなにも、ひかれているから歩くしかないという状態であった。そんな私が、いざ自分の将来を考える大学4年生になった時は、自分の将来を考えることがこんなにも大変なことだとは思わなかった。あらゆる不安がよぎり、自分のことなのに考えるのが面倒になるときがあった。そのため、自分の将来について考えることは、楽しいとは決して言えない時間であった。



 


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