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【7月書籍】自立していく子どもたち

渡辺三枝子 (2008) 東書アクティブ・キッズキャリア教育


<要約>

近年、キャリア教育は注目を浴びている。本書ではキャリア教育の目標を「自立できる子どもを育てることを目標とした教育改革運動」と定義している。「自立」とは単なる経済的な自立だけを意味しているのではない。精神的および社会的な自立も意味している。将来成人して大人になったとき、自分自身に責任を持ち、社会の一員として積極的・主体的に生きていけることこそが、本書の「自立」を意味する。物質的に豊かになり、子どもの数が少なくなった日本社会において、子どもの自立を遅らせるような大人の行動が問題視されている。加えて、現代社会は「自立」を重視しているが、他方で「自立」を困難にさせる状況を作り出している。そのため、現代社会において「自立すること」は子どもにとっても大人にとっても易しいことではない。本書では、学校生活や職業体験を通じて、子どもたちに「生きる力」を身につけさせることを目指す著者が「自立できる子どもの育て方」を伝授する。


<感想>

著者が述べている通り、現代社会において「自立すること」は難しいと考える。著者が考える自立に値する大人は、社会においてそういないと感じる。私は、成人して大人の仲間入りになったが、自分自身に責任を持ち、社会の一員として積極的・主体的に生きている大人に出会ったことはないかもしれない。そんな中、著者が伝授してくれる自立できる子どもの育て方は、多くの保護者や教育関係者の力となるのではないだろうか。大人の思いが生み出したキャリア教育が行えるのは学校だけだと思い込んでいた。だが、保護者との協働である部分がたくさんあるということを知った。このことから、保護者にもキャリア教育への正しい理解をしてもらう必要があると考える。





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