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7月書籍【非認知能力】

――「学力テストで測れない 非認知能力が子どもを伸ばす」中山芳一 (東京書籍)


【要約】 本著では、近年教育の場で育てるべき力・求められる力として言われている「非認知能力」について、非認知能力とは何か、どうすればその能力を養うことができるのかを述べている。 まず、非認知能力とは、その言葉からも推察できるように、「測ることが難しい能力」とされている。これは学力テストなどで点数で明確に測ることができる認知能力と比較して使われる。だが、認知能力が不要ということではなく両方養わなくてはいけない。では非認知能力はいつ育ちやすいのか。ほとんどが幼児期から児童期の間に属し、青年期に移るにつれて徐々に認知能力の割合が増してくる。つまり、非認知能力を養わずに幼少期から認知能力を身につけさせようと躍起になってしまっては土台である非認知能力が出来上がっていないので認知能力の質が悪くなる。ただしかといって青年期に身につけるのは全然遅くない。日常的に養えば十分可能である。子どもの成長を把握した上での教育が必要だということだ。 では、実際どのように非認知能力を見につければ良いのか。それは体験を経験に変える習慣である。その日に感じたことを一度自分の心に落とし込めて内面化すること、これが近道である。振り返り、日記などは体験を言語化できる点で内面化に効果がある。ここで注意するのが体験を強制せず、子どもがやりたいことをさせるべきである。 このような非認知能力は大人にも必要で特に「柔軟性」が重要である。柔軟性が身につけば他の非認知能力も上がりやすい。大人の成長は子どもの成長にもつながるので大人になっても体験は必要である。 【感想】 この本は非認知能力のことを知るきっかけになりました。自分も含め、人間はどうしても認知能力の方に目を向けがちです。ですが、それは認知能力がテストなどで目で直接見やすいことから、仕方のないこともあると思います。しかし認知能力はある一定の場面でしか必要にならなかったり、その場面で使えなかったら他では通用しないということがあり、非常に限定的な能力といえます。ただもちろん大人の中にはその分野に特化した方々(研究者など)もいらっしゃいますので一概に否定は出来ませんが、子どものことに絞っていうと、そうではないでしょう。まだまだ何者にでもなれる子どもにとって必要なのは限定的な認知能力よりも、一生涯通用する非認知能力の会得の方が先ではないでしょうか?そう考えると私たち栗田ゼミ生がサポートに行かせていただいている中学校の子どもたちにも、ただ単にテストの成績をあげるための指導ではなく、ある設問が分からなかった時に忍耐力を鍛えるためにあえて解答を教えたりせず時間をかけて解かせてみることや、柔軟性を鍛えるために他の解法で解くよう勧めたりなど、いつもの活動にも違った視点を持つようになりました。そしてこれから何かプロジェクトを行おうとするとき、非認知能力を鍛えられるかをもっと視野に入れていきたいと思います。そういえば私たちの先生である栗田先生が担当するある講義では、講義後に毎回必ず300〜400字程度の文章を書いて提出します。この本を読んでいる時、その文章が本中の「振り返り」にあたるのだと気づいた時、改めて栗田先生はすごい先生なのだなと思いました。

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