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執筆者の写真Chilex

7月英語論文【Mobile game‐based learning in secondary education】

Huizenga, J., Admiraal, W., Akkerman, S., & Dam, G. T. (2009). Mobile game‐based learning in secondary education: engagement, motivation and learning in a mobile city game. Journal of Computer Assisted Learning, 25(4), 332-344.


〈要約〉

学校は生徒の教育と最終的に労働市場に送り込むことを目的としていますが、常に達成できているとは言い切れない。例えば、2005〜2006年度のオランダでは、中等教育の生徒の約19%が中学校を卒業することができなかった。これは、オランダに限らず様々な国においても言えることであり、この失敗の理由の1つは、生徒の外部環境や時代が変化しているにもかかわらず、教育方法は従来の古いものを貫いていることにある。本論文では、現在の生徒の日常生活の一部ともなっている情報通信技術(ICT)という点に着目し、それらを教育現場にも取り入れることによる効果を図っている。調査の対象は、オランダの5つの学校(20クラス、458名)とし、Waag Societyが開発したFrequency 1550と呼ばれるアムステルダムの中世歴史範囲をカバーしたモバイルゲームを用いて、ゲームへの生徒の関与、歴史的知識の観点から調査した。その結果、定期的にプロジェクトに基づく従来型の指導を受けた生徒よりも、ゲームをプレイした生徒のほうが中世のアムステルダムに関する知識が大幅に増えることがわかった。歴史に対しての興味の深さや補注性歴史に関する全般的な知識については、2つのグループ間に差はなかった。


〈感想〉

近頃はすでにポピュラーになりつつある、デジタル媒体を用いた理解度の違いに関する論文をピックアップしてみた。本論文でも述べられているように、生徒たちの身の回りは常に変化しつつあり、新しい技術がたくさん取り込まれているにもかかわらず、学校そのものの変化は乏しいというのは、私たちも足を運んでいる中で非常に強く感じる部分である。この研究の結果は非常に面白いものではあるが、果たしてこれが他の教科においても言えるのか、ゲームのつくりはどうするべきか、学校側にこれらを導入することが現実的かなど、様々な疑問が残る。また、2009年時点では、こうした形態が真新しいものであったため、生徒たちの集中を集めることができたかもしれないが、現時点で授業を工夫し、ICT導入に近づけて授業を行っている先生においても、生徒たちはマンネリ感を抱き始めているように見受けられることもあるため、効果は一時的なものが多いのかも知れないとも思ってしまった。

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