2018年12月9, 10日に行われたISFJ日本政策学生会議(http://www.isfj.net)という論文大会で栗田ゼミSmilocalグループの一つである御所班が書いた「地域コミュニティを拠点にした 住民主体の地域活性化 ~奈良県御所市を事例に~」が優秀賞(120本中同率3位)に選ばれました。
(Smilocal活動についてはhttp://kurikuri-research.net/smilocal.htmlをご覧下さい)
この論文大会は「学生の政策提言による望ましい社会の実現」を目的としています。御所市では人口減少と高齢化が問題となっており、2017年4月には過疎地域に指定され、高齢化率は2019年8月時点で39%(日本の高齢化率27%)でした。また、2008年に「財政非常宣言」が出されるなど、高齢化に加えて市の財政状況は悪化の一途をたどっていました。その後、市役所の人件費、NPO団体などの補助金削減によって黒字化を達成しましたが、それらはあくまで一時的なもので安定的な財源を確保するには至っていません。このままでは持続可能なまちづくりは難しいと考えられます。そこで、住民の力を生かした地域活性化を行う必要があると考えました。2018年10月の2日間、御所中心地の世帯を対象にアンケート調査を行い、そこで得られた約260人のデータを用いて分析しました。結果として「住民に対する愛着が高いほどまちづくりに協力的である」こと、「地域に対する愛着は短時間でも醸成される」ことがこの調査からわかりました。この結果から、以下の3つの政策提言を行いました。
1つ目は、空き家のリノベーションによるコミュニティの場の開発
2つ目は、御所市と関西学院大学の提携による授業化やイベント開発
3つ目は、御所市内・外ネットワークとその新たな展開
御所市と関西学院大学は2018年10月12日に連携協定を結び、御所市との連携が可能になりました。現在私たちは政策提言1と2に力を入れ、空き家のコミュニティスペースの内装案を考えたり、そこでのイベント案を計画しています。また、関学の留学生を対象とした御所市にある鴨都波神社のお祭りに参加してもらうツアーを企画しています。これらが住民同士のコミュニティ強化や外部の人との交流につながり、御所市に対する愛着の醸成、住民主体で行う地域活性化、最終的には持続可能な住みやすい町になると考えています。このような賞をいただけたのは御所市の住民の方、市役所の方のご協力があったからこそだと思います。今回の受賞を励みに、これからも御所市の地域創生に尽力していきます。
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