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執筆者の写真Book for Children

対談<第2弾>

こんにちは! BFCでは先日、12月に引き続き、メンバーによる対談の第2弾を行いました!

今回のテーマはBFCが現地で行う活動の一つである「教科書作り」についてです。 K5田中雄太、K6村上絢音、K7川戸若葉と、ファシリテーターとしてK5岩田結の4名で話してもらいました。 それでは、対談スタート!

 

岩田:まず最初に教科書作成について、実際に作ってみてどうでしたか?


村上:一から何を作るかとかテーマを自分たちで決めて作るっていうのはおもしろかったです。


岩田:K6は教科書を作るとき、どういう感じで進めていきましたか?


村上:まず教科書の単元を決めて、算数に関してはK5の教科書を見て同じような内容にして、地理は初めてだったので全然違う感じで作りました。


岩田:なぜ算数と地理にしたんですか?


村上:算数は農業のときなどにも使えるし、生活に必要だと思ったからで、地理は子どもたちに自分たちの国セネガルについても知ってほしいし、他の関係国についても知ってほしくて、例えば昔フランスの植民地だったからフランスのことを知ってもらったりすることで、視野を広く持って海外の知らない世界を見てもらうという意味で地理の教科書を作ることを決めました。


川戸:地理を入れてみてどうでしたか?


村上:最終、現地の民族語のウォロフ語になったら、ウォロフ語にはない言葉がいっぱいあるって言われて、無理矢理フランス語とウォロフ語を混ぜた教科書になってしまって…すごく読みにくいじゃないですか?本人たちにとったら読めるのかもしれないですけど言語2種類混じってる教科書って、え?って思ってしまって、そこが気に入らなかったです。でも、国について簡単に知ってもらうことや、大まかな地図でアフリカの位置を知って「世界ってこんなんなんや」ってさらっと知ってもらうくらいならできたのではないかと思います。


岩田:地理と算数は何ページずつくらいになりましたか?


村上:地理は44ページ、算数は36ページと64ページの2種類です。


岩田:では次マダガスカル!どうでしたか?


田中:僕は算数の中でも、足し算引き算以前の数字の概念を教えないといけないということで、そこのパートを担当しました。最初は自分で何となくこうやって教えていこうかなーと思い描いてたんですけど、いざ作ってみるとなったときに教え方が全く浮かばなくて、それで急いで本屋さんに行って、幼稚園向けの数字の教え方の本を読みあさって、それを買って参考にして作っていきました。最初は本当に数字の書き方から教えないといけないんだと思って、日本だったら普通に生活していくうちに6って数字を見れば6って分かる、それは当たり前だと思うんですけど、でもいざ途上国の人たちのことをイメージすると、たぶんそういうこともないんだろうなと思って、数字を見たとしてもその数字が何を表しているか分からないんだろうなと、今自分はそういう人たちに向けて一から教科書を作ってるんだなって思ったときに、作ることは難しかったんですけど、すごくやりがいを感じました。


岩田:作る中で工夫した点は何ですか?


田中:全パートに関してなんですけど、普通に作っていったらすごい殺風景な教科書に出来上がったと思うんですよ。そこでもっともっとかわいらしい要素を入れていこうということで、キツネザルのイラストであったり、そのイラストに吹き出しをつけてしゃべらすような工夫もしたりして、より子どもに手に取ってもらいやすいような工夫をしました。


岩田:わかばは(その教科書を)実際に見たことありますか?


川戸:パラパラーっと見たことあります。


岩田:その感想を教えてください。


川戸:もっと色鮮やかにした方がいいなと思いました。


岩田:たしかに。ただ製作のお金の問題とかがあるから…


村上:地理の教科書も写真を入れていたので、本当はカラーにしたかったんですけど結局できなくて諦めました。


田中:実際に渡したときに思ったこととかありますか?


村上:私たちの学年は教育班がなかったので、教科書の効果を測ることもできないし、使ってるかどうかも分からないから、今その教科書がちゃんとあるのかも分からなければ使ってるのかもわからないのがすごく気になります。


岩田:子どもたちの反応とかはどうでしたか?


村上:わーって言ってとても喜んでました。


田中:僕はマダガスカルの子どもたちに渡しに行ったんですけど、すごく覚えていることがあって、渡す3日前くらいのことだったんですけど、ある日通訳に教科書の内容がぐちゃぐちゃだという指摘を受けました。原因として考えられるのは、教科書を作る上で自分たちはまず日本語で教科書を作って、その日本語を英語に自分たちで訳して、出来上がったものを現地の大学生に英語からフランス語に訳してもらったんですけど、そのときに現地の大学生に渡したときにたぶんGoogle翻訳とかのソフトを使われたみたいで、翻訳の仕方が算数の教科書として適していない方法だったようで、自分自身とても悔しい思いをしました。それまでにけっこう募金も参加したし、教科書も時間削って作ったのに、すごくそこで気を抜いてしまって、現地の人を信頼したのが悪かったという言い方は合ってるか分からないけれど、でもこうしたちょっとしたところで気を抜いてしまったためにちゃんとした教科書にならなかったということが、現地で悔しい思いをしたことです。だから、渡すときも僕としてはとても複雑な思いで渡したという思い出があります。でも実際渡す日はすごく子どもたちが群がってきて喜んでくれたことも覚えているし、結局子どもに渡すのではなく、学校で保管してもらうことになって、学校の校長先生に直接渡すような形になりました。校長先生も「この教科書は子どもに家に持って帰らせたくはない、なぜなら子どもが家でぐちゃぐちゃに使って破れてしまったら何年も使えなくなるから」という話をしてくれて、ちゃんと向こうの人も考えてくれてて、そこはボランティアをしていて向こうの人もただただ受け取るだけではなくて、この支援をどう活かしていくのか、これからどうやったら長く使えるのかというところまで考えてくれているんだなーと思ってとても印象に残っています。


川戸:K6のときは翻訳ってどうしたんですか?


村上:フランス語が公用語だけど、実際に話しているのは民族言語のウォロフ語だったので、私たちはウォロフ語で教科書を作ろうということになって、でもウォロフ語ができる日本人なんかなかなかいないので、青年海外協力隊のセネガル隊員の方にお願いして現地の知り合いに翻訳してもらいました。ウォロフ語は話し言葉でしかないから算数や地理の中には表現できない言葉もあってフランス語も混じるという結果になって、でも全部フランス語で作ったら読めない子がいるから、複雑でした。実際自分たちが工場の調査でフランス語の識字のテストをしたときに、全然誰も答えられなくて、普段話すときもほとんど民族語だったので、フランス語の識字能力を上げるための教科書でも良かったのかなという話を論文班の中でしたことはあります。だから次K7がマダガスカル行くときは、何の科目の教科書を作るかから決めると思うんですけど、やり方は難しいと思うけど識字とか、K5は算数から始まって、K6は地理を加えたけど、また違う科目でもいいのかなと思いました。


岩田:わかばは何の科目が作りたいとかありますか?


川戸:算数は作りたいです。今の話を聞いて、もしマダガスカルの識字率が高くないのであれば国語も必要なのかなと思います。


田中:でもたしかテストを受けさせたときに文章は読めてた気がします。だから小学校に通ってたら文字は読めるのかなという印象はあります。


岩田:アフリカの人ってすごく歌が好きじゃないですか?歌の教科書とかどうだろう?


村上:音楽の教科書ってことですか?


岩田:そんな感じ!


村上:おもしろそうですね。


川戸:何を学ばせるかですね。


村上:ダンスとかもおもしろそう。


川戸:音楽って新しい発想ですね。


岩田:私たちも一緒に歌える歌があればよかったってすごく思う。


村上:マダガスカルの公用語って何ですか?


岩田:マダガスカル語。で、フランス語も話せる人が多い。


村上:じゃあマダガスカル語ができればその国では生きていけるって感じですか?


田中:観光客を相手するためにフランス語を学んでるイメージ。


岩田:だいたい話せる人が多いかなという印象は受けました。


岩田:そういえばわかばは何でBFCの中で絵本・教科書担当になったんですか?



川戸:まずBFCに入ったのは、もともと小学校6年生のときに絵本を届ける活動をホームルームでしていて、どんなボランティアをしてもいいという授業で、その中で青年海外協力隊の人に協力してもらって絵本を届けようという提案を元協力隊員だった先生がしたのをきっかけに、偶然その活動をすることになって、全然英語とかは分からなかったんですけど、図書館で英語の本を借りてそれを写して自分たちで絵を描いて絵本を作ってパラオに送りました。何も見返りとか求めてなかったし、その時はそれで終わったんですけど、中学生になって当時一緒の班にいた友達が「パラオから手紙が来たらしいよ」と教えてくれて、そこには「すごく良かった、ありがとう」という内容が書かれていて、本当にありがとうという言葉だけだったんですけど、それにすごく感動して、いつかまたやりたいなと思っていたけどなかなか機会がなく、このまま一生できないままかな、でもしたいなという思いがあって、栗田ゼミでBFCの活動をしているということを知って、またあの活動ができる上に、直接届ける人の顔を見ることができるんだと思って、絶対この活動はやりがいがあるなというのを思ってBFCに入りました。絵本の担当になったのは先輩の話を聞いてよかったからというのと、一番直接的に自分のしたい音に繋がっているなというのを思ったからです。


村上:いいなぁ。


岩田:その夢、あと半年後くらいに叶えられそうだね。


岩田:この話を聞いて、後輩に何か伝えたいことはありますか?


田中:具体的な話にはなるけれど、K5、6の反省を活かして早めに作り始めるということと、気を抜かずに細かいところまでこだわって、ちゃんとしたものを届けてほしいという思いがあります。


村上:どうしても作業をやらないとという感じになってしまうけれど、ゆっくり考えながら、論文班で現状分析とかをしていく中で「こういうのがあるんや」とか写真を見たりして、作業感にならず楽しんで作れたらいいかなと思います。


岩田:ではそれを踏まえて意気込みをどうぞ!


川戸:先輩たちの反省を踏まえつつ、素晴らしいものをマダガスカルに届けられたらなと、そのためにも一生懸命頑張ります!


岩田:良い本が作れるといいですね。楽しみにしてます。



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