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2019年 8月 参考文献

・Allen, Katrina M. "Community‐based disaster preparedness and climate adaptation: local capacity‐building in the Philippines." Disasters 30.1 (2006): 81-101.

コミュニティでの災害に対する意識(CBDP)とは、災害対応の戦略にとても重要な要素である。歴史的にも、トップダウンの方式が、災害管理の際に用いられてきた。そしてそれらは、外部の専門家によって進められてきた。

CBDPは、知識、地元住民の許容量により構成され、社会資本を含む地元資源によって成り立つ。強みとして、CBDPは地域防災の策定のみならず、広域な会圧計画と議論などにも役立つ可能性がある。自らの啓蒙活動により、自己強化を図る。一方、弱みとして、コミュニティ資本の欠如、決定権の不明などがあげられる。

本稿では、コミュニティでの災害に対する意識が気候変動における脆弱性を緩和させることに注目した。しかし、フィリピンのコミュニティ内では住民をエンパワーすることもディスエンパワーする場合が見られた。つまり、CBDPを災害管理問題の万能薬とのように考えることに対して注意喚起をした。

・荒木俊之 (2019)「地域防災計画にみる地域特性に関する一試論―大阪府北大阪地域を事例に―」『 E-journal GEO』14(1),105-115.

この論文では、大阪府北部地域における 7 市の地域防災計画を取り上げて、自然的、社会 経済的な視点からみた地域特性が、予防対策や応急対策などの災害対策、被害想定や対策を 行う想定地震などに考慮され、目次構成や想定災害に示されているかどうかを検討されて いる。 なぜこんなにも地域特性に着目しているのかというと、地域防災計画は、国-都道府県- 市町村の垂直的な関係の中で、各市町村の地域特性などを踏まえて作成されているが、しか しこれまでの研究において地域特性についての言及はないため、実際はどうなのか検討し ようというのである。 本論では、地域防災計画について法的な面から説明したのち、北大阪地域 7 市に焦点を 当て、自然的、社会経済的な視点からみた地域特性について述べ、さらに国が作る防災基本 計画と大阪府の地域防災計画を比較し、考察結果を述べている。 結果から言ってしまうと、地域防災計画の記述の多様性が市区町村の連携を難しくし、市 町村と連携が取れていないために、不十分な地域防災計画が作成されてしまうのだ。この論 文を踏まえて、都道府県が地域防災計画の修正や推進計画の作成の指導を積極的に指導し ていくことが必要だとしている。

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