2021年 8月 参考文献

英語論文：The geography of disaster vulnerability in megacities: A theoretical framework

著者：Juha I.Uitto

雑誌名：Applied Geography　Volume 18, Issue 1, January 1998, Pages 7-16

要約：脆弱性評価は、東京をはじめとする多くの都市で、大規模な自然災害に対する計画を支援するために広く採用されている。東京都が継続的に実施している評価では、分析ツールとして地理情報システムを使用している。東京都が継続的に行っている評価では、分析ツールとして地理情報システムを使用しているが、物理的環境に関するデータ、危険にさらされている人の数、経済的側面の情報にほぼ依存している。社会的脆弱性の重要な側面は無視されている。社会的脆弱性の評価を改善するための第一歩として、日本と米国の3つの大学が、東京のホームレスの人々のサイクロンと地震に対する脆弱性のパイロット調査を開始した。これは、社会的に疎外されたグループの社会的脆弱性に関する信頼性の高いモデルを開発することを目的としており、世界中のリスクにさらされている巨大都市のホームレスやその他の「特別なニーズ」を持つグループの災害計画や管理を改善するために利用することができます。防災は、人々の立場によって考え方が異なる。人それぞれで異なった基準があるため、社会的弱者は孤立する傾向が高い。孤立しやすい立場の弱い方にも寄り添った行動が大切になると感じた。

日本語論文：異なる文化を持つユーザーに向けたデザインアプローチの研究

著者：張 白鈺, 山崎 和彦

雑誌名：国際保健医療/35 巻 (2020) 1 号/書誌

要約：近年、日本に入国する外国人は、年々増加しており、外国人は日本人と異なり、被災経験が少なく、日本語が不得意なので、防災対策に関する意識は低いと指摘されている。このことから、在日外国人の防災対策や地域防災活動の参加は、重要なテーマであると考えられる。外国人の防災情報への関心を向上させるために異なる文化を持つユーザーを対象に向けての開発が必要であると考えられる。また、異なるユーザーを対象に文化特性を考慮したデザインが必要である。本研究では、異なる文化を持つユーザーに向けたデザインアプローチの提案を目的としている。本研究では、文化特性とUXデザインについて理論に基づいて実際にユーザーインタビューを分析して文化特性を抽出し、共通点と差異点をまとめている。文化の差異点を分析するため異なる文化を持つユーザーに対して調査を行っている。ここでは外国人向けの防災アプリを事例として研究を進めている。デザインアプローチの仮説を提案するため日本人、中国人とモンゴル人の文化比較の調査を行い、調査の結果から検討すべき問題点を抽出している。日本人と、海外の人の間では文化観の違いがあるために、防災に対する考え方が異なる。日本は震災が頻繁に起きる。海外から観光客が訪れた際は、観光客も防災対策を推し進める必要がある。そのため、防災情報の提供方法は大切である。

日本語書籍：各種天災に対応! 災害頻発時代の防災マニュアル

出版社：災害からいのちと日常を守る情報委員会

要約：日本では地震が頻繁に発生する。そのため普段からの心構えや対策がより重要になってくる。本書では、災害が起きた際にどのような行動をとれば命を守れるかが記述されている。近年、行政の対応が進化しつつある。それは、さまざまな事態が生じるたび、被災者の要望に即して行動していく中でより最適な行動が明確になったからである。

本書では、災害発生を主に３つの視点で考える。BEFORE(事前に準備すること)、NOW(災害の時にすべきこと)、AFTER(日常復帰のためにすること)、3つの視点で考えている。近年、防災について書かれている本は多く存在しているが、タイミング別で取り組むことについて書かれている本は少ない。

本書を読むことで、普段からどのような対策をし、実際に起きた時にどう行動するかが明確になる。本書を読むことで、災害が起きた時に焦りがなくなる。

本書は役立つ情報をコンパクトにまとめた、いざという時に役立つ全家庭必携の1冊である。ぜひ読んでいただきたい。