2021年 10月 参考文献

英語論文「Decision on Tsunami Evacuation Route in Tourism Area: A Case Study of Had Patong, Phuket」（2011）

著者名：Thirayoot LIMANOND, Hyunmyung KIM, Siradol SIRIDHARA, Chalat TIPAKORNKIAT

雑誌名：Journal of the Eastern Asia Society for Transportation Studies 9 　p16-30

要約：

壊滅的な被害をもたらした2004年の津波を受けて、多くの研究が災害の予防、管理、軽減の戦略に焦点を移している。ほとんどの研究では、大津波の特徴を検証し、モデル化することで計画を策定している。しかし、プーケット島で行われたこの研究では、避難者の視点から、この問題の裏側を調査している。経路選択の決定とその支配要因を明らかにした。また、地元住民と外国人観光客の社会経済的特性との関係を、三元配置表の手法を用いて分析し、定量化した。その結果、個人の直感や群衆の反応に比べて、避難経路を誘導するための避難標識の役割は重要ではないという驚くべき事実が判明した。本研究の結論は、群衆の行動を理解し、この特定の緊急事態の下で効果的な避難対策を確立するための第一歩となると考えられる。本論文を読んで、避難経路を誘導するための避難標識が人々の直感よりあてにされていないことに驚かされた。どれだけ避難所経路を示す標識があっても効果が薄いことが分かった。

そのため、人々に標識で示すのではなく、実際に行動として植え付けるための防災訓練には非常に大きな効果があると考える。

日本語論文「外国人避難者と災害時多文化共生」（2015）

著者：伊藤 芳郎, 朝間 康子

雑誌名：教育復興支援センター紀要3　p87-97

本論文は，東日本大震災による避難所開設を行った仙台市立三条中学校で，外国人への避

難対応がどのように行われたのか，また，震災後，避難所運営マニュアルや地域防災訓練で外国人支援がどのように見直されたのかを明らかにすることを目的としている。

三条中学校学区には，多くの留学生が生活をしている東北大学国際交流会館などがあり，日頃から地域の一員として生活していたが，2011 年３月 11 日に発生した東日本大震災で，指定避難所である三条中学校の体育館へ多くの留学生が身を寄せ，地域住民と共に避難所生活を送っている。震災後，避難所で行われた外国人支援について書かれた震災記録集などで，三条中学校での外国人対応の実情や避難所運営にあたった町内会役員などから，外国人支援の課題が指摘された。仙台市は震災後，避難所のあり方や運営体制に多くの課題が見られたことで，各町内会や学校に「仙台市避難所運営マニュアル」を作成・配布し，更に，避難所ごとの避難所運営マニュアル～地域版～（以下“地域版”）の作成を促した。それを受けて，2014 年 11 月１日三条中学校区内の町内会員や留学生，三条中生などが参加した合同避難訓練が実施された。

災害時における外国人支援について，国や地方自治体の「多文化共生」の施策の視点から改善点を明らかにした。特に地域住民とのつながりにおいては，“地域版”に連携が掲げられ，組織の中に位置づけられたことにより，地域の構成員として多くの外国人が暮らす特色ある三条中学校区の避難所運営の改善が図られた。

本論文は避難所開設の問題点を明らかにしている。実際の避難所ではペットや赤ちゃんなど様々な用途の方がいる。そのため、多くの方に対応できるように普段からの備えが大切になると考える。

日本語書籍「サバイバル・バイブル」（2005）

出版社：小学館

著者名：柘植久慶

要約：

本書では危機を生き延びるガイドとして、災害時に待ち受ける危険、起こりうる新たな危機への対処策が書かれている。国内、海外での危険と回避術、心構えから、危機に慌てないテクニックが満載である。

災害、事故、争乱から生還するための極意を凝縮している。災害はいつ起きるかわからないものである。そのため、普段からの備えが重要になるが、具体的にどのような行動を取ればよいのか明確ではない。防災に関する情報はありふれており、どの情報が自分にとって必要か選ぶ必要がある。

本書は、災害時に必要な行動をなるべく最小限にまとめてある。そのため、本書を読んでいるだけで、災害時には冷静に行動できると考える。