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2019年 9月 参考文献

・井上雅志ら (2018)「地域防災計画に基づく災害対応フロー図の作成と部署間連携の可視化」『生産研究』70(4), 283-288.

災害対策基本法第 40 条に基づき、都道府県と市町村で は地域防災計画の策定が義務付けられている。地域防災計画は各段階において自治体が実施すべき防災対策が定められている。しかし、地域防災計画の多くは記載事項が膨大なため有事の際、職員が災害対応に必要な情報を即座に探し出すことが困難であり、過去の災害においても有効に活用されていないことが多い。また、災害対応の工程や流れが示されておらず、全体像をとらえにくいという課題もある。さらに、地域防災計画の目次構 成やフォーマットが都道府県と市町村との間で、また市町 村間で異なっている場合が多く、地域防災計画の比較や、自治体間の応援・受援の効率的な実施を困難にしているという指摘がある。

以上を踏まえ本編では、2016年熊本地震の被災自治体である熊本県、熊本市、嘉島町、西原村の4自治体を対象に、地域防災計画の記述から、工程とフロー図を作成し災害対応業務を体系的に整理することで熊本県の地域防災計画を標準化している。さらにこれを効率的に運用するために、業務実施上の参考情報をまとめた詳細シートデータベースを構築している。標準化された工程に対して、各自治体の地域防災計画の記述を比較することで、地域防災計画の記載の不足内容を明らかにした。また、作成された災害対応業務フロー図について部署間の連携関係をネットワークの形で可視化することで、業務における担当部署と部署間の関係を一目で確認できることを示した。今後は訓練等を通じて検証並びに修正を加えていくことが重要であると共に、今回示した災害対応の流れに対し業務の進捗管理を行う方法について検討を行うことが必要である。


​・Himes-Cornell, A. Ormond, C, Hoelting, K, Ban, N. C, Zachary Koehn, J, Allison, E. H.& Okey, T. A. (2018). “Factors Affecting Disaster Preparedness, Response, and Recovery Using the Community Capitals Framework” Coastal management, 46(5), 335-358.

本稿では、災害やオイルショックなどの大きなショックを受けた時、どのコミュニティ資本が復興促進に影響を与えるかを明らかにした。これまでの災害研究は、「なぜ」「どのように」災害から影響を受けるのかを調査されてきた。そこで本稿では「コミュニティ資本フレームワーク」を用いて、コミュニティの特性がどのように災害準備の意識に影響を与えるのかを1964年から1989年の災害データから分析した。このデータは、災害に対する反応を6つのコミュニティ、災害中と前のコミュニティ資本、長期の復興を記録した情報を含む。

豊かな自然資本は一般的に、災害前の計画と長期的な回復に寄与するが、災害直後の資源へのアクセスの制限は多くのコミュニティにとって悪影響を及ぼす。強力な政府、社会基盤、財政資本を有するコミュニティは、早急な回復をみせる。しかし石油危機当時、幾つかのコミュニティにおいて、津波や地震よりもコミュニティを弱体化させた。コミュニティ資本の活用が、様々な種類の災害からの回復に導く可能性があると分かった。

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英語論文:The geography of disaster vulnerability in megacities: A theoretical framework 著者:Juha I.Uitto 雑誌名:Applied Geography Volume 18,...

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