2020年 10月 参考文献
【日本語論文】
間野隆久、濱田彰一「原子力防災支援システムの開発」
『日本ロボット学会誌』Vol.19 No.6. pp.714~721,2001
国が「原子力防災支援システム」の開発に取り組む契機となったのは東海村の臨界事象である。東海村の事例では、終息処置を行うのにロボットを使おうといった動きもあったよ うであるが、実際には使われなかった、やはり緊急事態では、普段からそれに備えてトレーニングされた原子力防災専門家でなければ対応は難しいということであろう。 (財)製造科 学技術センターでは、国の補助を受けて原子力防災ロボットシステム開発を行ったが、そ の推進には東京大学班目教授をリーダーとする開発推進委員会を設置し、 海外調査やワーキンググループ活動などを実施し、開発目標を設定した。開発を担当する企業は、公募で選定されたが、1年間で設計・製作を行い、平成13年3月22日、23日に実証試験によりロボットシステムの性能を確認した。以下開発したシステム、各ロボットの概要を述べるが、今回の開発は原子力防災システムの整備を急ぐことと予算制約から1年間で完成させるという条件であった。したがって、長期間にわたる要素開発は実施しておらず、現状技術レベ ルで手の届く開発範囲で完成させている。そういう意味では、今後のロボット技術開発の進展に応じた改良などは継続して実施していく必要がある。
【英語論文】
Building Local Responses to Disaster
Yaso Nadarajah & Martin Mulligan
India Quarterly: A Journal of International Affairs, vol. 67(4), pages 307-324, December.
近年、国際的な災害管理の文献では、被災コミュニティが復旧・復興プロジェクトやプログラムの「所有権」をより多く持つことの必要性について多くの議論がなされているが、実際にはそれが何を意味するのかについてはほとんど理解されていない。災害後の復興プログラムには、将来のリスクに対する脆弱性を軽減するためのもの、あるいは「より良い復興」のためのものが多く求められている。本稿では、スリランカとインド南部の津波被害を受けた5つの地域における社会復興とコミュニティの再建に関する集中的な研究から、災害復興のためのコミュニティの「指導」を強化する必要性を確認する一方で、救援から復興までの長いプロセスの中で、コミュニティの関与の形態は段階によって異なる必要性があることを論じている。また、「より良い復興」は可能であるが、援助やその他の関連機関が、被災したコミュニティの中に存在するレジリエンスのための既存の能力とより密接に連携し、その正当性に貢献する場合にのみ可能であると論じている。
【書籍】
テーマパーク化する地球
東浩紀
2019年 株式会社ゲンロン
前回に引き続き東浩紀氏による書籍を紹介する。前回のゲンロン0よりも、さらに震災、主に東日本大震災について触れられている1冊となっている。チェルノブイリ原発周辺がスタディツアーとして観光できるということであれば、東日本大震災によって壊滅的な被害を受けた原子力発電所付近も同じようにモニュメント化及び博物館とすることができるのではないかと提案したのに対し、それに対する批判を重く受けとめ自らを批評している。福島県および「フクシマ」の今後を考える上で大切になるであろう本であった。
最新記事
すべて表示英語論文「Decision on Tsunami Evacuation Route in Tourism Area: A Case Study of Had Patong, Phuket」(2011) 著者名:Thirayoot LIMANOND, Hyunmyung...
英語論文:Regulating disasters? The role of international law in disaster prevention and management 雑誌名:Disaster Prevention and...
英語論文:The geography of disaster vulnerability in megacities: A theoretical framework 著者:Juha I.Uitto 雑誌名:Applied Geography Volume 18,...
Comentarios