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執筆者の写真将宏 小出

2020年 12月 参考文献

【日本語論文】

桑沢敬行、金井昌信、細井教平、片田敏孝「津波非難の意思決定構造を考慮した防災教育効果の検討」

『土木計画学研究・論文集』No.23 no.2 2006.9


 本研究では、平成16年9月5日に発生した紀伊半島沖と東海道沖で発生した2回の地震における住民の津波意識、避難行動に関わる調査をもとに、地震発生後の住民の津波避難の意思決定構造に着目し、住民の津波危機意識などに重点をおいて分析を行った。その結果、地震時における津波非難の意思決定構造が、津波災害に対する「意識」との強い関連をもとに形成されているという実態を把握することができた。また、構築した予測モデルを災害総合シナリオ・シミュレータに導入することで、平時の有効な防災教育によって、住民意識が改善された結果、住民の避難行動が促され、犠牲者数が大幅に削減される結果を得ることが出来た。こういった「意識」の改善を念頭に置いた防災教育を平時から行うことこそが、行政から発表される津波情報や避難情報などを、自らの命を守るための判断材料の一つとして活用できる住民の形成につながり、更には情報に依存しない避難行動の促進につながるものと考えられる。つまり、住民個々の意識の改善が、来るべき大津波による人的被害の最小化には極めて重要であるといえる。


【英語論文】


【書籍】

ゲンロン11

2020年9月

編集人 東浩紀

発行所 株式会社ゲンロン


本書の論考(悪の愚かさについて2、あるいは原発事故と中動態の記憶)がチェルノブイリ原発事故を通して福島での原発事故を考える良い材料になり得ると思ったのでここで紹介する。「フクシマ」と聞いて皆は何を想像するだろうか。その頭に思い浮かんだ悪いイメージはいくら科学的なエビデンスによってそれほどでもないと分かっても改善はされない。このイメージに対してはイメージでアップデートするしかない。福島原発事故も、『加害と被害の対立を超え、安易な「死の大地」のイメージを離れて、その本質に近づく』べきなのだ。そこで登場するのが中動態の考え方である。能動的でも受動的でもない中動態という概念によってこのイメージの問題を分析しようと試みているのがこの論考である。是非ともこれを読み、「フクシマ」という固有名詞について考えてみてほしい。

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