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南雄太

2020年 7月 参考文献

【日本語論文】

桑沢敬行、金井昌信、細井教平、片田敏孝「津波非難の意思決定構造を考慮した防災教育効果の検討」

『土木計画学研究・論文集』No.23 no.2 2006.9

 本研究では、平成16年9月5日に発生した紀伊半島沖と東海道沖で発生した2回の地震における住民の津波意識、避難行動に関わる調査をもとに、地震発生後の住民の津波避難の意思決定構造に着目し、住民の津波危機意識などに重点をおいて分析を行った。その結果、地震時における津波非難の意思決定構造が、津波災害に対する「意識」との強い関連をもとに形成されているという実態を把握することができた。また、構築した予測モデルを災害総合シナリオ・シミュレータに導入することで、平時の有効な防災教育によって、住民意識が改善された結果、住民の避難行動が促され、犠牲者数が大幅に削減される結果を得ることが出来た。こういった「意識」の改善を念頭に置いた防災教育を平時から行うことこそが、行政から発表される津波情報や避難情報などを、自らの命を守るための判断材料の一つとして活用できる住民の形成につながり、更には情報に依存しない避難行動の促進につながるものと考えられる。つまり、住民個々の意識の改善が、来るべき大津波による人的被害の最小化には極めて重要であるといえる。



【英語論文】

The Indian Ocean Tsunami: Economic Impact, Disaster Management and Lessons

Prema-chandra Athukorala and Budy P. Resosudarmo

Asian Economic Papers, MIT Press, vol. 4(1), pages 1-39, Winter.

本稿では、2004年12月にインド洋沖で発生したスマトラ地震による津波の経済的影響と、災害直後の災害管理プロセスを、特に被害の大きかったインドネシアとスリランカの2か国に焦点を当てて分析している。さまざまな観点からのデータを利用しており、とても良い論文となっている。自然災害は時間の経過とともに増加傾向にある。国民を津波から守るためには津波に関する事前教育が非常に重要であり、そのためにも国民の意識向上に努める必要がある。



【書籍】

「東日本大震災―復興の検証―」上野良治,合同出版(2016)

本書刊行のきっかけは2015年3月14~18日に仙台市で開催された国連防災世界会議のパブリックフォーラムに本書の著者が共同して日本科学者会議災害復興研究チームとして参加したことにある。参加にあたり、人間の復興の重要性、復興財政分析からの接近、復興災害を繰り返さないための施策、減災の思想と狙い、生業復活に向けた被災者の努力などのペーパーを用意して、このフォーラムに臨んだ。このペーパーが合同出版の目に止まり、それを膨らませて今回の出版になったものである。執筆予定者の打ち合わせ会で議論を繰り返し、可能な限り、認識の共有化をはかった。また、災害対策の見直しの観点についても触れている。

 東日本大震災から6年目に入る。被災者の暮らし再構築を一日も早く納得のゆく方向で実現したい。今日国会の場において、憲法改正の意向が首相の口から発せられた。混乱の度を増す世界情勢の中にあって、「平和憲法」が提示する基本的人権の尊重こそ重視されなければならない。大震災からの復興を憲法の精神を体して促進しなければならない。

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