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執筆者の写真将宏 小出

2021年 1月 参考文献

(書籍)

「原発さまの町」からの脱却――大熊町から考えるコミュニティの未来

吉原 直樹(2013/11/21)

岩波書店


本書は原発事故によって引き起こされた問題について書かれている。近隣住民に対して、遅々として進まない賠償や除染をめぐる対立や、その足元で進行する家族離散について記されている。また、原発関連の職の有無がもたらす人々の分断について記されている。絶望の淵でもがきながら五年間帰らないことを決めた大熊町は、新しいコミュニティの形を見出すことを目指している。「原発さまの町」から脱却するためのヒントを、避難者たちへの詳細な聞き取り調査等をもとに社会学者が探っている。


(日本語論文)

藤代 裕之, 松下 光範, 小笠原 盛浩(2018)

大規模災害時におけるソーシャルメディアの活用―情報トリアージの適用可能性

J STAGE 6 巻 2 号 p. 49-63


東日本大震災以降,ソーシャルメディアは大規模災害時の情報伝達ツールとして重要度を増しているが,情報爆発やデマといった課題により活用が困難になっている。本研究では,課題解決を目的に,限られた時間的制約のもとで優先度の高い情報を整理する情報トリアージのソーシャルメディアへの適用可能性を検討している。調査手法は,熊本地震に関するソーシャルメディア情報を収集・分析するとともに,報道機関や消防機関に対してソーシャルメディア情報の影響についてインタビューを行った。その結果,ソーシャルメディアから救助情報を探すことは困難であること,消防機関では通常時には情報トリアージが機能しているが,大規模災害時にはソーシャルメディアの情報を含む膨大な通報が寄せられたことにより,機能不全に陥っていたことが明らかになった。ソーシャルメディア情報の整理を消防機関の活動と連携して行うことで,情報トリアージが機能し,情報爆発やデマといった課題を解決出来る可能性があることが明らかになった。本研究は,大規模災害時の情報伝達ツールとしてソーシャルメディアを活用するためには,ソーシャルメディア情報のみを対象に研究するだけではなく,被災地での活動を調査し,連携する方法を検討することが重要であることを示している。この知見は,救助活動のみならずソーシャルメディアを通した被害状況の伝達や物資支援などにも応用が可能であるといえる。


(英語論文)

Agwu EmeleAgwuaAshrafLabibaSaraHadleigh-Dunnb(2019)

Disaster prevention through a harmonized framework for high reliability organisations

Safety Science Volume 111, Pages 298-312


世界中の組織に対する壊滅的な事件によって大破する大混乱の増加と、これらの事件の壊滅的な影響の増大は、組織の信頼性を向上させるための枠組みの開発を必要としている。緊密に結合され複雑な技術で動作しているにもかかわらず、信頼性の高い組織は最小限のインシデントで慎重に運営し続けている。この論文は、真と見なされない組織や業界でほとんどの災害が発生したことを考えると、異なる業界の多様な組織に組織学習を適用すると、組織の災害を減らす可能性があると主張している。この論文は、HRO理論における数多くの研究を認識したが、標準化され、多様な組織間で適用することができる調和のとれた測定可能な枠組みの利用不能を示している。この論文は、HROの原則を用いて、2大陸の3つの産業で8つの組織で研究を行った。組織信頼性成熟度モデル(ORM)を開発した。これを使用して、5つの成熟度レベルを通じて進行組織を追跡している。組織の成熟度を測定し、災害、ベンチマーク、および改善組織の可能性を予測するための組織信頼性成熟度(FORM)の枠組みを開発した。この論文は、防災とHRO理論に関する既存の研究を深め、新たな知識領域を開きつつ、研究を深めることを期待している。



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