2021年 4月 参考文献
英語論文 「Evaluation model of synergy degree for disaster prevention and reduction in coastal cities」
著者:Huang, Xing Song, Junyi Li, XingAff1 Bai, Hua
雑誌名:Natural Hazards. 100(3):933-953(2020)
要約:沿岸都市における防災・減災の連携は、防災能力の向上、緊急時の効率化、災害損失の低減のための重要な施策である。この論文では、沿岸都市間の防災・減災の連携評価の問題に着目し、協調的ガバナンス理論と地域災害システム理論を組み合わせて、沿岸都市の防災・減災の連携指標システムを、災害前の準備連携、災害対応連携、災害後の復旧連携の側面から研究する。主成分分析を用いて指標システムの実現可能性と構造的妥当性を検証している。1990年から2018年までに中国の沿岸都市で発生した台風、暴風雨、洪水、高潮、赤潮を選び、実証研究を行った。
評価の結果、災害対応サブシステムの貢献度は、災害前の準備サブシステムや災害後の復旧サブシステムの貢献度よりも高いことがわかった。中国の沿岸都市における防災・減災の相乗効果の度合いは、災害に見舞われた都市の経済レベルによって制限される。経済レベルの高い沿岸都市ほど、防災・減災の連携度が高い。しかし、一般的には、中国の沿岸都市における防災・減災の相乗効果は低い。今回の研究成果では、中国の沿岸都市における防災・減災の相乗効果を高めるための政策基盤となることが分かった。沿岸都市の連携が防災において有効であることが分かった。この論文では中国を取り上げているが、日本でもいえることである。神戸市では防災コミュニティが形成されているが、日本全国に防災コミュニティがあるわけではない。今こそ、コミュニティの連携の大切さを再認識し、コミュニティの強化を目指す必要があると感じた。
日本語論文 「大学における一時避難所・救護所運営を取り入れた実働型防災訓練の構築と災害時医療教育としての応用」
著者名:上田 昌宏 串畑太郎 安原智久 曾根知道 栗尾和佐子 永田実沙
河野 武幸
雑誌名:Japanese Journal of Pharmaceutical Education. 2021, 5:2020-043
要約:摂南大学枚方キャンパスでは、2013年に改訂されたモデル・コアカリキュラムで災害医療の目標が追加されたことに対応して、学部の薬学教育に実践的な災害訓練を導入しました。摂南大学枚方キャンパスでは、2013年に改訂されたモデル・コアカリキュラムに災害医療の項目が追加されたことを受け、学部の薬学教育で実践的な災害訓練を導入しました。被害を最小限に抑えるための消火活動、近隣住民の避難・救助、学内での情報伝達などを訓練しました。訓練の評価と改善のため、また、災害時の訓練・教育の必要性について両グループを比較するために、Googleフォームを用いて学生と教員に匿名のアンケートを実施しました。その結果、現役学生の方が災害対応に積極的な傾向が見られました。学生と教員が協力して防災訓練や模擬体験を行うことで、災害時の役割をモデル化し、実際の災害時に対応しなければならない可能性のある活動を示すことができました。
この論文を読んで、震災の模擬体験の有効性を実感した。どれだけ頭で考えても、限界があり、防災は知識に加え、体で感じることが大切だと感じた。
日本語書籍 「震災後の親子を支える―家族の心を守るために」
著者名:安藤, 清志/松井, 豊
出版社名:誠信書房(2016)
要約:東日本大震災により、被災地の親子をめぐる環境は急変した。避難先の学校で対人関係に悩む子ども、避難先で地域になじめず戸惑う家族、原発事故で仮設住宅に住まうストレス、さらには放射能汚染がもたらす心理的問題など、枚挙にいとまがない。本書では主に心理学の専門家が、それぞれの立場からこれらの問題にアプローチし、具体的な活動例や調査結果を通じて「震災後の親子をいかに支えるか」考える。私は本書で初めて災害心理学という分野があることを知った。災害心理学という言葉があるということは、災害によって悩む人が多くいることを示している。私自身も小学生の時に、東日本大震災の際に福島県から避難してきた同級生がいた。最初は避難してきたと聞いただけで、特別な感じがしていた。震災はいつどこで発生するものかわからないので、避難してくる人たちも予期せぬ出来事である。その中で、いかに避難先のコミュニティになじめるかは、震災後の安定しないメンタルに大きな影響を及ぼすと考える。これは子供に限らず大人も学ぶべき項目であると感じた。
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