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執筆者の写真将宏 小出

2021年 5月 参考文献

英語論文 「Soil hardness regulates the root penetration by trees planted on anthropogenic growing bases in coastal forests in Japan: new endeavors to reforest the coastal disaster prevention forests with high resilience for tsunami」

著者:Ono, KenjiAff1 Noguchi, Hironori Noguchi, Kyotaro Imaya, Akihiro Ugawa, Yuichi

Komoriya, Akane Tachibana, Ryuichi Murakami, Hisanori Kida, Kimihiro Kawahihashi, Masayuki

雑誌名:Journal of Soils and Sediments. :1-14(2020)

要約:津波被害を受けやすい地域の海岸林の災害耐性を回復するために,植林の前にエンバンキングを用いて生育基盤を人工的に構築した。そして、有効な土壌を深くし、より深い根系の発達を可能にしてきた。この論文の目的は、これらの人為的な生育基盤の土壌特性とその中での根の発達を記述・記録することで、その建設の指針となるとともに、災害に対する回復力の可能性を総合的に評価することである。

一部の生育基盤は全体的に柔らかく、透水性が高いことから、適切な生育基盤を構築するためには、深耕などの土壌改良がかなり有効であることがわかった。いくつかの堤防では、生育基盤の土壌に深刻な問題があり、その中には、透水性が極めて低く、強い麦飯石化の痕跡があった。このような劣悪な土壌条件は、植物の生育、特に地下の根の生育を阻害し、長期間にわたって生育基盤に残っていた。

つまり、この論文は重機を用いて建設された人造土壌の物理的性質は数十年にわたって維持される可能性があること、また土壌の硬化、水の停滞、根の侵入の妨げを避けるためには、土づくりの際に圧縮を避けるべきであることを示している。これらの結果は、残念ながら堤防を安定させるための条件についての定量的な考察を欠いている。しかし、樹木の成長を促し、堤防の基礎に十分な強度を与えるためには、人為的な土壌の構築が困難であることを認識させるものである。この論文を読んで、海岸林の耐久性を上げるには、深い土壌に植えることで根の成長を促進することが分かった。また、土壌造りの際に、圧縮をさけることで土壌が長持ちすることは意外な発見だと感じた。



日本語論文 「大学生の地域防災における主体性の形成を目的とした避難協力ゲーミングに関する研究:個人役割の認識に着目して」

著者名:留野 僚也 豊田祐輔 鐘ヶ江秀彦

雑誌名:シミュレーション&ゲーミング2020, 30(2):73


要約:地域防災では、住民の主体性に欠けた地域減災が決定・実行されていることが指摘されている。自主性を育むためには、リスク軽減の意思決定過程において、住民が地域の災害リスクを理解し、リスク軽減を個人の役割として認識することが重要である。また、若い世代の参加を促すために、学校教育の中で個人の役割認識を促進できる防災学習を行う必要がある。この論文では、地域防災における主体性の育成を目的とした避難協力型ゲームシミュレーションを設計し、大学生を対象に実施した。調査方法としては、GSの前後にアンケート調査を実施した。その結果、多くの参加者が「地域交流」を「個人の役割」として認識し、個人の役割の認識と地域に根ざした防災活動がGSによって促進されたことがわかった。したがって、この論文では、リスク軽減の意思決定過程における地域防災の主体性育成を目的とした防災学習手法としてのGSの有効性と可能性を示している。この論文を読んで、災害リスクの軽減を地域コミュニティに頼りっきりになるのではなく、自分事として考えることで大きな効果を得ることが分かった。確かに、コミュニティに所属する住人がそれぞれ個人レベルで災害リスク軽減を考えるとコミュニティとしての効果も増加すると思う。



日本語書籍 「復興の防災計画 : 巨大災害に向けて」

著者名:牧, 紀男

雑誌名:東京 : 鹿島出版会 , 2013.6


要約:この本では、巨大地震・巨大津波に立ち向かうために必要となる防災計画とは何かを示している。東日本大震災の経験を見直し、今後の災害復興に向けてのあり方を含め、新たな先進国型の復興モデルについて考えている。この本を読むことで防災意識を育むことができる。この本では東日本大震災を振り返り、震災後の復興について最初に示されている。そして東日本大震災を受けての復興・防災について示し、南海トラフ大地震の捉え方について記されている。地震はいつどこで起きるかわからない。地震を防ぐことはできない。しかし、震災後の被害を最小限に抑えることは可能である。被害を最小限に抑えるために私たちに何ができるか、防災班ができることが何かを考えさせられた。

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