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執筆者の写真将宏 小出

2021年 6月 参考文献

英語論文 「Is Local Community the Answer?」

著者:Ole Bruun1 and Mette Fog Olwig

雑誌名:Asian Journal of Social Science Volume 43: Issue 6(2015)


要約:この論文では、「地域コミュニティ」と「地域/伝統的な知識」が、社会経済の安定を守り、ストレス下での持続的な資源利用を確保するために不可欠であるという主張を批判的に検証している。経験的にはベトナム中部に焦点を当てているが、この議論はより広い文脈に当てはまる。本稿では、社会生態系の回復力を達成するためには「地域コミュニティの知識」が不可欠であるとする災害リスク軽減や気候変動適応のアプローチに特に疑問を投げかけている。本論文では、ベトナム中部の農村は、内外からもたらされる新たな収入の機会を貪欲に利用する、非常にダイナミックなローカルアクターによって特徴づけられていると主張する。悪条件の気候や環境に対処する方法については様々な知識があるが、これらの知識は「回復力」や「均衡」を重視したものではない。むしろ、人間中心的で、外部志向で、時には日和見的で、最終的には都市のライフスタイルを志向していることがわかり、これはベトナムの国家が強く評価している特徴である。現在のところ、地元の願望は必ずしも解決策の一部ではなく、特に弱い人口層のリスクを悪化させる社会的・政治的複合体の一部を形成している可能性があると結論づけている。むしろ、新しい非国家的なアクターがより大きな役割を果たすべきである。この論文を読んで、地域コミュニティの強化が災害リスクの軽減につながることが分かった。防災班として、地域コミュニティの強化に働きかける必要があると感じた。





日本語論文:「在日外国人への取り組み」

著者:石田 紗彩

雑誌名:言語文化研究 (28), 1-29, (2020)


要約:この論文は、災害の際に在日外国人が抱える問題の中でも「希薄な近所関係」という社会課題に着目し、在日外国人が社会の一員として協働していくためには、どのような場、すなわちコミュニティが必要であるのか明らかにすることを目的としている。調査としてまず、防災イベントへの参加、インタビュー、文献調査を行い、地域における1つのコミュニティとしての日本語教室の重要性が分かった。しかし、筆者が訪問した日本語教室では、他者との関係をつくる力を養える活動があまり見受けられなかった。その調査結果を踏まえ、人間的なつながりを深める学習である対話的問題提起学習に着目し、実際に防災をテーマとしたワークショップを行った。参加者は日本語母語話者2名と日本語非母語話者2名、そしてファシリテーターである筆者を含む5名である。活動で得られた対話データ等を分析した結果、対話的問題提起学習はコミュニケーション能力を養い、新たな気づきを得ながら自分の認識を変容させることができるもの(特に日本語母語話者の意識変容)であることが分かった。つまり、日本人と在日外国人が対話的問題提起学習を行うことで、同じ「社会の一員」として近づくことができるのである。地域の日本語教室は教室型であることが少なくないので、今後より多くの日本語教室が対話の重要性について気づくと共に、日本語教室以外の場でも在日外国人が日本人と対話できる場や環境を整えることが重要であると結論付ける。

この論文を読んで、在日外国人は震災において取り残されるリスクが高いので、それを解決方法について考えさせられた。コミュニティの強化への取り組みとして、ワークショップは有効だと感じた。




日本語書籍:「グローバル社会のコミュニティ防災:多文化共生のさきに」

著者:吉富志津代

雑誌名:大阪大学出版会(2013)


要約:双方向のコミュニケーションを。コミュニティラジオを中心とした多言語での情報発信の豊富な経験をもとに、移民をはじめ多様なマイノリティとともに暮らす地域社会のあり方を提言している。多様化した日本におけるコミュニティ防災について言及していて、防災において重要なコミュニティの強化について書かれている。

それに加え、阪神・淡路大震災からの気づきについて書かれており、震災からの学びを活かしたまちづくりについて述べられている。

また、本書ではコミュニティではマイノリティに分類される在日外国人や、障がい者、高齢者を災害から守る取り組みについて述べられている。

マイノリティに分類される方はコミュニティの連携によって救うことが可能なことが分かった。



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