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執筆者の写真将宏 小出

2020年 11月 参考文献

更新日:2020年11月24日

【日本語論文】

末次忠司、栗城稔「改良した氾濫モデルによる氾濫流の再現と防災への応用に関する研究」

『土木学会論文集』No. 593/II-43, 41-50, 1998. 5


本研究の主要な結論は以下の通りである。氾濫水理模型実験の結果に基づき、家屋の密度を考慮した氾濫原粗度係数の算定式提案した他、道路・農地・その他の土地利用の場合の粗度係数も設定した。実験及び計算結果より、運動方程式における水平粘性項は小さく、拡散項を考慮しなくても問題ないことが分かった。筑後川流域で発生した水害を対象として、最高浸水深及び逆破堤時刻から新モデルの計算精度が向上したことが確かめられた。鶴見川流域における感度分析結果より、氾濫水の伝播には粗度係数が最も大きく影響することが分かり、今回のモデルの改良で精度向上に十分寄与できることが分かった。新モデルを実際の防災活動に応用できる形式として、鶴見川流域を対象に、防災GISタイプのハザード・シミュレータを開発した。シミュレータは氾濫予測の他、水防活動・避難活動への適用も十分可能であることが確かめられた。


【英語論文】

Naoi, M., Seko, M., & Sumita, K. (2009). Earthquake risk and housing prices in Japan: Evidence before and after massive earthquakes. Regional Science and Urban Economics, 39(6), 658-669.

 この研究では大規模な地震の発生後に住宅所有者や賃貸人が地震リスクに対する主観的な評価を変化させているかどうかを検証している。日本の全国の家計パネルデータを用いて、ハザード情報と観測された地震の記録を組み合わせることで、いずれの場合も個人の地震リスク評価に若干の変化があることを発見した。また,個人のリスク評価の代理として客観的なリスク変数を使用することによるバイアスを慎重に考慮した。その結果、地震が発生しやすい地域に立地することによる価格割引は、地震発生直後の方が発生前よりも有意に大きいことが示唆された。この結果の解釈として、しばらく地震が発生していない場合、家計は地震リスクを過小評価する傾向があると主張している。



【書籍】

フクシマの正義

開沼博

幻冬社 2012/9/12


本書はタイトルにもあるようにフクシマでの震災後、さまざまな人々の立場での正義について書かれてる本である。発行は2012年でありながらも、その考え方やこれからの戦略として大いに参考にすべき部分が多い。

筆者は「フクシマ」論で著名な開沼博氏である。内容としては、ボランティアとしていく一般市民と現地住民との間で正義がぶつかり合っているという趣旨のことが書かれている。要は、ありがた迷惑となってしまっているというのだ。しかし、東浩紀氏の言葉を借りるのであれば、かと言って関わるのを止めることなく、そして現地の人が声を上げ続けることこそがフクシマが人々から忘却されずにいられる唯一の方法だとも思える。皆さんもぜひ読んで色々とフクシマのこれからについて考えて頂きたい一冊だ。

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