2020年 3月 参考文献
・阪田弘一(2000)「震災時における避難者数推移および避難所選択行動の特性 : 地域防災計画における避難所の計画に関する研究」
本研究において、震災時の避難者行動に関して明らかになったことは以下の通りだ。避難者数推移特性について調査対象とした地震における避難者数の推移はどれも指数的な減少傾向を示すことがわかった。次に地震発生当初からの避難者数の推移は、避難者の減少には、建物被害の程度やライフラインの復旧速度が影響を及ぼす要因であることが示唆された。
避難所選択行動特性については避難者の避難所選択行動の傾向は距離と施設魅力度を要因とする代表的な施設選択行動モデルであるハフモ デルによるモデル式で説明できることがわかっ た。モデル 式のパラメーター値から、避難所選択行動においては距離が非常に大きな影響を及ぼす要因であるとわかった。避難者の避難所としての 施設に対する嗜好の程度を表す指標として、避難所の敷地面積が有効であることがわかっ た。ただし、避難所選択行動につい ての結果は、阪神 ・淡路大震災の大規模火災の発生しなかった地域におけるデータのみから導かれたものであり、避難所選択行動の特性がハフモデルにより説明されることが一般性を持ちうるのかを論じるに当たっては、他の震災時におけるデータによる追試が必要だ。
・Eiji Yamamura, 2013. "Natural disasters and social capital formation: The impact of the Great Hanshin-Awaji earthquake," EERI Research Paper Series EERI RP 2013/10, Economics and Econometrics Research Institute (EERI), Brussels.
1995年に発生した阪神・淡路大震災は、日本の中南部の経済に壊滅的な被害をもたらし、この震災が、日本の社会資本の重要性を改めて認識させるきっかけとなった。本研究では、488,223件の観測からなる大規模な個人レベルのデータベースを用いて、震災が地域活動への参加を通じた社会資本への投資をどのように、またどの程度高めたのかを調査した。差分法を用いた結果、以下のような重要な知見が得られた。(1)日本では、1996年の方が1991年よりもソーシャルキャピタルへの投資傾向が強いこと、(2)震災の影響は居住地からの距離が遠くなるほど減少すること、(3)震災は神戸市民のソーシャルキャピタル投資率を有意に上昇させたが、神戸に近い大都市の投資率には有意な影響を与えなかったこと、などが明らかになった。
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