Angela, B. M. (2015). Employment of persons with disabilities. Procedia-Social and Behavioral Sciences, 191, 979-983.
【要約】
現代は経済メカニズムが競争現在の原則に基づいている。そのため家族の繁栄が主にそのメンバーが有益な経済活動に従事することに依存している。その中で障がい者で構成されている家族はほかの家族よりも多くの経済問題を抱えている。具体的には障がい者が生産活動を行えないことや国からの経済的支援が乏しいことが挙げられる。そこでこの論文では障がい者の雇用という観点を深く調べている。
ルーマニアにおいて障がい者の雇用は一般市民の雇用に関するすべての戦略文書において最優先事項として言述されている。しかしルーマニアの障がい者の就労率は一般人口に比べて著しく低い。最近の調査によると18歳から55歳の障がい者で仕事を持っているのは12.8%に過ぎない。これは同年齢の一般人口サンプル就業率とは57ポイント以上の差がある。また障がい者の失業率は2倍も高くなっている・
障がい者の雇用を調査した結果、このような現状の要因として「教育」を挙げている。ルーマニアの教育システムは障がい者にとって多くの不利益をもたらしている。具体的には不登校や早期退学の発生率は一般の人に比べ障がい者は2倍となっている。このようなことからも障がい者の教育の質が低いとされている。
また障がい者は一般の人々と比べて所得が著しく低いことが分かった。就職を希望する障がい者が最も多くあげる理由に健康上の問題に関連するものが多くあげられた。また雇用と自己申告の労働能力の間に強い相関関係があるためより複雑な評価ツールの必要性が明らかになった。そのような現状から就労能力を条件として社会的利益を与えることは労働市場への復帰を阻害する要因となることが証明されている。
この調査では障がい者の雇用者側の側面も見えてきた。結果として障がい者と一般人の雇用者のタイプには大きな違いが存在する。仕事を持つ障がい者の61%は民間企業に雇用されている。31%は公的または国有企業に雇用されている。このことから障がい者は競争力のある市場で雇用されていることが分かった。
この結果から障がい者に対する仕事探しの支援とカウンセリングの必要性を述べている。障がい者のキャリア形成において自身の可能性や能力、興味に合った自分を発見できる職業カウンセリングを整備していく必要があるだろう。
【感想】
この論文はルーマニア学術協会が行った調査をもとに結果を出している。そのためこの日本でもこのような調査を行っている論文があれば、読んでみたいと思った。また自分たちがこのような調査をしても面白そうだと感じた。これまで生きてきて時々障がい者の方が雇用されている姿を見たことがある。しかし私はそれがどのような制度が使われているのかや日本の障がい者雇用の現状の知識がない。そのためもっと学習をして知っていきたいと思った。例えば車の免許においても障がい者にとっては就職の障壁となっていることもあると思った。そのような日本の現状を調べて生きたい。
(長瀬亘亮2021年12月)
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