本書では様々な障がいを持った方の親目線で、語っている本になっており、多くの人が障がい者とひとくくりにしてしまう人には、ひとりひとりの人生があるのだなということを改めて感じることができた。第一章の「子どもに障害があるとわかった時」では、多くのお母さんが、病院の先生からの障がいの伝え方に不満を持っている、傷ついているということが分かった。また、お母さんたちも自分や子どもの現実を受け入れるのに時間がかかっていたり、なかなか前を向けなかったりと、ひとりひとり違う人生なのだなと感じた。
また、障がいのことだけでなくご家族のことについて話してくださっているかたもいらっしゃった。ご主人が海外の大津波で亡くなってしまった方のお話しで、その後の障がいのある娘さんの反応や、生活の変化について話してくださっていた。そのお話を読んで、障がいの有無に関わらず、身近な人が亡くなった悲しみは同じなのだなと感じた。ここに書かれていた七世さんという方はお父さんがなくなったことを理解して受け止めて、3年という月日を経て少しずつ前を向いていっていて、誰よりもお父さんを側で感じているということがよくわかった。
私たちも障がいの有無、性別などといった表面的な部分でなく、目の前にいるひとりひとりにそれぞれの人生があるということを心にとめて関わっていきたいと思った。
2022/04/29 中 泉澄美
Comments