視覚障害者のための歩行ガイドロボットの開発ー小谷信司、清弦智昭、森英雄
- 介護班 栗田ゼミ
- 2022年3月31日
- 読了時間: 2分
(要約)
この論文は、歩行ガイドロボット(Robotic Travel Aid:RoTA)についての説明がなされており、歩行ガイドロボットが視覚障害者の心理的な負担をどの程度軽減するのかについて記述されている。人間が歩くために必要な情報は、モビリティ(Mobility)、オリエンテーション(Orientation)、ナビゲーション(Navigation)の3つであり、それぞれ意味がある。モビリティとは地面の凹凸につまずかずにリズミカルに歩く機能で、オリエンテーションとは自分の進むべき方向に開けた空間を見つけ進む機能、ナビゲーションとは次に進む方向を知る機能のことである。視覚障がい者の人々に対して、これらモビリティ・オリエンテーション・ナビゲーションの機能を提供するのが、この論文で紹介されている歩行ガイドロボットの役割である。本論文における実験の結果、歩行ガイドロボットの重量感やスムーズな道案内・ガイドは視覚障がい者に大きな安心感を与えることがわかった。多くの視覚障がい者が外出する恐怖から、家に引き込もる現状があるが、歩行ガイドロボットの登場は外出の恐怖感を取り除き、心身の健康に資する有用なものであることが証明された。
(感想)
視覚障がい者や聴覚障がい者など、身体障がいを患う方々は、日常生活においてさまざまな困難を抱えていることであろう。今回の論文では視覚障がい者にスポットを当て、視覚障がい者の自由な外出を目的とした歩行ガイドロボットの登場について論じられていた。街中でよく白杖を使用して歩く視覚障がい者の方を見かけるが、やはり白杖だけでは、心理的な不安が大きいようである。自分がもし視覚に障がいがあり、目が不自由な状態であると考えると、白杖一本で外出するのはとても不安で仕方ないと感じる。点字ブロックは公共交通機関などでは整備が進んでいるが、いまだに多くの道では整備されておらず、白杖を頼りに歩くしかない。本論文では、こうした心理的な不安から、家に引きこもる視覚障がい者が大勢いることが紹介されており、その理由に納得した。歩行ガイドロボットのような重量感のある補助ロボットが横についていることは、それだけで安心感に繋がることであろう。歩行ガイドロボットだけではなく、よりさまざまな種類の歩行補助装置が開発され、視覚障がい者の方々が少しでも過ごしやすい社会になることを、心から祈っている。また自分としても、そうした補助ロボットについての学習を深め、それぞれのメリット・デメリットを把握しようと思う。
2022年3月31日 米島 誠
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