「親の老後」の悩みを解決する50代からのお金のはなし 黒田尚子 小学館文庫プレジデントセレクト 2018年2月6日出版
(感想・要約)
みなさんがご存知のように、現在の日本では少子高齢化が急速に進行しており、今後は介護を必要とされるお年寄りの方々が年々増加して行くことになるでしょう。私の家族にも現在おばあちゃんとおじいちゃんが居るが、2人ともいずれは介護を必要とするようになるだろう。いざ現実的に自分が身近な人を介護する立場に立たされた時、今の自分では到底うまくできないという危機感があった。栗田ゼミで障がい者介護班に所属しているのにもかかわらず、介護サービスの知識が浅はかであることは、とても恥ずかしいことであると思う。このため、この本を通じて、私は介護サービスの知識を身につけられるのではないかと考えた。実際に今の自分の年齢で、親や祖父母の介護をすることを想定しよう。自分もそろそろ社会人になり、仕事をして自分で生活をしなくてはなりません。おそらく仕事は一日8時間の週5日で、家に帰ればとても疲れていることだろう。その疲れた状態の自分に、さらに介護というやらなければならないことがあると想像すると、ぞっとしてしまう。はっきり申し上げて、仕事をバリバリしながら親や祖父母の介護をすることは現実的に厳しいものであり、自分の体が壊れてしまうことは目に見えている。介護というのはそれほど時間と体力を要するものであり、相当な覚悟が求められて来ると思う。だが、介護がきついからと言って、そのままにしておくわけには行かない。少子高齢化が進行している現代において介護の知識がないことは、致命的であると私は思う。介護は非常に厳しいものであるが、それに対する知識を身に付けることは非常に大切であり、本書にはそれが詳しく記載されている。高齢者の入院や病気のこと、認知症や介護に備えること、さらには葬儀やお墓のことについても説明がなされており、この本を読めばある程度は介護に対する不安がなくなると私は思う。介護というのはお金が必然的につきまとうものであり、本書には介護に関連する必要なお金の話がたっぷりとされており、厳しい現実を突きつけられる。本書の中には高齢者を救助したが、その後認知症で10年ほど介護しないといけなくなり、そのまま死亡したというお話もされていた。命は取り止めたものの、その後の生活は非常に厳しいものとなる。何より介護をする側にとって、このことは深く考えさせられるのではないだろうか。介護サービスから人生の卒業式であるお葬式に至るまで、この本ではこれまでに知らないような知識がたくさん得られるに違いない。介護についてあまり知識のない介護する側の人間に、ぜひ読んでほしい一冊である。
(2022年2月26日 米島 誠)
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