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親の介護をする前に読む本 東田勉 講談社現代新書

執筆者の写真: 介護班 栗田ゼミ介護班 栗田ゼミ


介護というものは、私たちにとって避けては通れないものである。これまで障がい者介護班におけるプールボランティアなどを通じて、介護保険の問題点などについて、ある程度は学んできたつもりである。


この本では認知症に関する内容はもちろんのこと、人の一生の終わりである終末医療についても後半部分で触れられている。実際にかかる介護費用から人の死に方に至るまで、本書からは実にさまざまな学びを得ることができた。介護と聞くと、私を含めた誰しもが最初は「うわ、、ちょっとめんどくさそう、、」、と思うだろう。事実この本でも書かれているようの、介護というものを始めるのにはさまざまな準備が必要であり、介護施設を探したり、介護保険の仕組みを理解したりと、あらゆる知識や技能を身につけなければならない。本書で述べられていた「介護は何も準備しなくてできるようなものではない」、という言葉が印象に残っている。私もおばあちゃんおじいちゃんは高齢で、既に何個かの病気を患っているので、自分の力で介護をしないといけない日もそう遠くはないと思う。来たるべき日のため、私たちは介護に関する最低限の知識は身につけなければならないし、自ら能動的に知ろうとするべきであると考える。介護はなんとなくめんどくさそうやから嫌、と後回しにするのではなく、自分自身にもふりかかる恐れのある問題であると認識し、早急に準備せねばならないと思う。


本書では寝たきりにならないようにするための秘訣なども紹介されており、初めて知る内容ばかりであったが、とりわけ最後の死生観についての部分は特に面白く感じられた。日本では寝たきりで生命維持装置を外されると死亡してしまう人も多くいるが、北欧などの海外においては、ご飯を食べられないとそれ以降の処置は行われないこともあるという。人それぞれの考え方はあると思うが、私は個人的に最後まで人間らしく生きていたいし、機械に頼らなければ生きれない状況下で生きたいとは思わない。日本においても死生観についての議論をこれまで以上に促進するべきであると思うし、さまざまな死に方が受け入れられる世の中であるべきである。


2022年5月31日 米島 誠


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