塩田琴美、日本保健科学学会誌18(2)、59-67、2015
[要約]
本研究は障害者との 「接触経験」 と障がい者スポーツに対する 「意識や参加行動」 の関係性を明らかにすることを目的とした。対象はインターネット調査会社に登録されたモニター 220 名とし、障害者との 「接触経験」 と障がい者スポーツに対する 「意識」 や 「参加行動」 について調査を行い、χ^ 2 検定を用いて分析を行った。 その結果、接触経験の項目のいずれの項目においても障がい者スポーツにおける意識や行動に有意であり、障害者との接触経験は障がい者スポーツの参加行動に重要な因子であるといえる。更に、 比較的に早期から障害者との接触経験をもつことや障がい者スポーツを通じた交流や体験を図ることは、 共生社会の形成促進を図ることが期待できる。こうした観点からも障がい者スポーツの果たす役割は大きいといえる。
[感想]
本研究では10代は1人と少ないが、20代~60代はそれぞれ30人以上の対象者がいて、合計で220名を対象とした研究であった。多くの対象者で研究をして実際に障がい者スポーツに対する意識や参加行動が有意に出たというのは信ぴょう性も高く、また私も自身の経験からその結果が予想できた。私自身、障がい者の方との関りというのは、障がい者介護班に所属するまではほとんどない状態だったので、障がい者の方に対する意識というのはないに等しい状態だった。しかし、障がい者介護班で、障がい者の方や介護士の方と関りを持つようになると、パラスポーツに興味が出たりと、大きな変化が実感できた。過去の私のように全く関りがない人でも、接触経験というのは大きな変化をもたらすことができるのだと分かった。(中泉澄美・2022年2月26日)
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