Gordon Brown and Daniel Susskind(2020)
「International cooperation during the COVID-19 pandemic」
【要約】
この論文はCOVID-19のパンデミックの発生においてグローバル公共財というものに焦点をあてて書かれている。今回のCOVID-19のような世界規模での感染症をどのように成業していくのかということには国際的な協力が不可欠であり、それに伴ってこれが最も効果的な公共財であるということが言われている。
グローバルな国際公共財としての感染症対策には非常に多くの、またとても重要なタスクが存在していることが分かっている。特にワクチンに関しては、従来の公共財とは違いその国の感染症の制御がどの程度できているかどうかなど様々な部分で差異が生じてしまう。だからこそ、世界各国での国際的な知識の共有というものが重要となるが特定の国が他国にただ乗りするという状況が生まれかねない。そこで財政的な負担を効率よく分配するためにも様々な措置を取ってはいるが、公共財の持つ特性である非競合性、非排他性からもより財政的な協力は困難であるといわれている。
現状を見て見ると、ワクチンを国際的に協力して開発するよりも各国で独自の開発を行い競争のようなものが頻繁にみられている。加えて途上国のような国では十分な協力というものが得られていない。資金調達はされているもののそれでもまだ必要資金の一部でしかなく充足した資金は得られていない。国連とWHOが協力して各国に支払いを求める世界的なメカニズムを作ろうと、分担金と呼ばれる国連の通常予算から捻出されるものや平和維持分担金という矯正支払いなどが挙げられる。
現行の資金調達メカニズムを改善して世界の経済バランスを上手く反映できるようなものを作っていかなければならない。同時に、各国の支払い能力というものも加味していき、強制力を持ったメカニズムを作ることが重要だといわれている。
【感想】
とても最近の話であったが、コロナ過だからこそ国際的にワクチン研究だったり資金調達のメカニズムを整える必要があるのだなと感じた。ワクチン開発に関しては、成功さえすれば大金を得ることができる、いわば一攫千金に近いものであるし民主主義的な考え方に基づいているからなのだと感じた。だからこそ、社会主義や共産主義といったすべての人が普遍的で平等に扱われるという考え方を世界各国がどこかで共通認識として持つ必要があるのではないかと感じた。
Comments