国際協力における「緩い」よそ者の役割
-インドネシア・コミュニティ学習活動センターに対する学生のボランティア活動を事例に-
藤山一郎
【要約】
この論文は、国際協力分野の学生ボランティアをボランティア・ツーリズムの一つとして位置づけ、ゲストとホスト・コミュニティ相互の変化と成長を「よそ者」論から分析したものである。インドネシアの廃棄物最終処分場の近くにあるコミュニティ学習活動センターにおけるボランティア活動の事例を通じて、学生団体とそれを受け入れるホスト・コミュニティとの相互関係の変化過程に着目する。さらに、ボランティア・ツーリズムに位置づけられる学生団体が発展途上国の開発課題に貢献しうることを検証し、その特徴や意義を探っている。また、国際協力の現場における「緩い」よそ者の可能性を検討する必要があることを示唆している。ボランティア・ツーリズムの議論の多くが、参加者(ゲスト)の利己的動機や変化、それが社会に与える影響に関心を寄せる中、本稿ではホスト・コミュニティもまた主体的に変化し、それがゲストの変化に影響をおよぼす可能性があることを明らかにした。今後は、ボランティア・ツーリズムの議論を発展させるためには、ゲストとホスト・コミュニティの関係性についてより一層の精緻化が必要となると考えられている。
【感想】
国際協力において、「緩い」よそ者ということについて考えることができた。また、国際協力がお互いに大きく影響を及ぼすということについても改めて知ることができた。学生による国際協力を行う場合は、影響があるということがわかったからこそ、正しい知識を付け、現地の人の生活なども考えられるようにしていく必要があると考える。今後の活動においても意識していくべきことだと思った。
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