「異文化と向き合う国際協力-開発援助の現場から-」
清水 正・清水マリエッタ(2020)創成社
【要約】
筆者がこれまでしてきた海外での活動を通して、感じたこと、学んだことなどから得られた知見が書かれていた。実際に自分が現地に行ったことや、国際協力を通して、文化というものにどのように関わっていくのかということを考えるきっかけを与える本である。異文化理解には、4つのタイプに分かれており、自分がどのタイプであるのかということを知り、そして、周辺化・不適応タイプはこのタイプから抜け出すことにより、国際協力に深く関わることができる。しかし、異文化というものは難しく、異文化との融合に挫折することもあるだろう。だが、実際に異文化に触れることで、教科書や映像では学ぶことのできないものが見つかる。また、筆者が考える、国際協力をする際に忘れてはならない5つは、①自分から進んで相手を信じる。②相手に疎外感を与えない。③陰で支える人を思いやる。④人間としての尊厳を尊重する。⑤正義感をもとに冷静な行動をとる。ことである。自文化への認識を深めながら、異文化に触れることを通じて、異文化適応能力を高めていく事は、国際協力においてなくてはならない。
【感想】
私は、この本を読んで、文化というものと海外に行くということや、日ごろの生活は切り離すことはできないということを学んだ。そして、自分の文化がどの地域にもあてはまるという考え方ではなく、異文化を尊重し、知ろう、知りたいという気持ちを忘れてはいけないと思う。さらに、海外に行き、教科書には書かれていないものに実際に触れることで、異文化を知り、それは、私たちの成長にもつながる。また、異文化について考えることも重要ではあるが、自文化について考えることも大切であるということも学んだ。文化という長い年月をかけて出来上がり、変化し続けるものに触れるということは、とても難しいことであるが、面白いことだと思った。
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