牟田 博光(2003)「構造的評価に基づく総合的国際協力の試み」
要約
国際協力において、成果を重視する姿勢が強くなっている。その成果も、プロジェクトのアウトプットよりも、それが社会の変化にもたらすアウトカムの方が重要視されるようになった。そこで、効果的な協力を行うためには、成果が上がるようにプロジェクトを設計す ることがまず重要となってくる。十分な調査を行い、構造的な評価によって成果を上げるのに必要な要素間の関連を把握し、それらの要素を適切に組み込んだ総合的なプロジェクトが必要である。このような考え方で行われた1999-2000年に実施された(Regional Educational Development and Improvement Project: REDIP)がある。教員研修や学校補助金事業は総 合 効果が高かったものの 、単価も高い。費用と効果を見比べれば 、一般にどの教育事業が秀でているか言い難く、また必要な教育事業は個々の学校によって異なっていた。そこで基 本的教育事業は共通とし、それに加え、個々の学校のニーズに基づく多様な協力を行うこ ととした。
感想
国際協力の試みとして教育の問題が明らかになっていた。国によってニーズは違えど学校のニーズを知る必要がある。成果を挙げ,資源の効率的な利用を実証することが,国民の支持を得て,安定した国際協力を継続させる唯一の道である。国際協力で重要なことは、決められたプロジェクトを粛々 と実施する事ではない。重要 なのはまず、成果が上がるようにプロジェクトを設計することであ ると思い、現状の活動を見直すことから始めようと思う。
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