西川 芳昭 「地域をつなぐ国際交流」
自分たちの住む地域において、自分たちの未来を自分たちで決めることができる自律を獲
得することである。一般に参加型間発を議論する際には住民の参加が大きく取り上げられ
る。しかし、地域の問題に取り組むときに、住民の参加を殊更とりあげることは不自然であ
る。たしかに、これまでの開発の主体が地域外の政治権力や資本に翻弄されてきたのは事実
であるが、本来地域の開発には住民は当然何らかの関わりをもち続けてきたはずである。こ
のことに開発にかかわるすべての関係者が再び気づいたときに、すべての地域づくりが、お
互いの経験の交換をし、国境を超えた協力が実現する。国際協力というと現場が海外にある
と思われがちである。そうすると、一般市民にとって参加が困難になる。このことは、国際
協力を市民生活の一部とすることへの最大の障害になる。
私が所属している TtW の JAS は、活動拠点はどのイベントにおいても国内である。海外活
動に主軸を置くほか二班に比べ、一見すると、地味に映ることもあるかもしれないが、国際
協力の足元を固める活動、この意味に本書からは改めて気づかされた。
国際協力こそ、やる人がいてこそ、なのである。ボランティアの一つの選択肢という意味だ
けでなく、国際協力だからこそ、学べるものを、つながることを、つなげられることを改め
て思い知らされた。
そして、国際活動において、本文にも示された通り、そのつながりの構築こそが難しく、困
難で、一部の人にしか開かれた活動になっているのではないだろうか。
私たちが始めるべきは、その垣根を触れられるその距離に、つながることのできるものだと、
示すことではないだろうか。
K9 サ
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