西本佳代“学生による学生支援活動における課題―学生は何を課題と考えているのかー” 香川大学教育研究 (2009)
近年、学生が学生を支援するという活動が注目されている。これらの活動をさらに良くするためには、学生が支援活動において抱えている課題を検証した上で、それに沿ったサポートを行っていく必要がある。
学生が支援活動において課題だと考えている点。
1 イベントを企画すること
2 活動の宣伝をすること
3 メンバーの学生にとっては、イベントを行っていく上での「段取り」や「流れ」を把握し活動すること
4 代表の学生にとっては、メンバーに適切な指示を出すこと
5 代表の学生にとっては、メンバーの活動へ対する意欲を喚起すること
6 代表の学生にとっては、メンバーを確保すること
これらを踏まえると、学生による学生支援活動に対して大学は、【メンバーの学生】と【代表の学生】の両者を対象とした企画運営に関するサポートを行う一方で、【代表の学生】に焦点を絞った組織運営に関するサポートを行う必要があるといえるだろう。
【メンバーの学生】と【代表の学生】両者を対象とした企画運営に関するサポートとしては、研修が考えられる。課題として挙がった企画運営に関する内容を扱った研修を大学が提供することで、学生はそれらについての能力を育成することができると予想される。一方、【代表の学生】には、リーダーシップ研修を行う。しかし、「メンバー確保」といった課題に対しては、研修以外のサポートを行う必要があるだろう。例えば、全学的な活動の宣伝の機会を保証するのはもちろんのこと、学生による学生支援活動の意義を教える講義を提供し、教育活動の中にサポートを組み込んでいくことが重要になると考えられる。
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