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「環境配慮行動を促す環境教育プログラム開発のためのパスモデルの構築」 諏訪博彦 山本仁志 岡田勇 太田敏澄

要約

今までの環境教育は、意識的環境配慮行動を導くために、行動実施意志や意識形成意志を高めることを狙いとして行われてきた。その結果として、親の環境行動が子供への環境行動へ影響を与えるという結果がえられた。また、野外環境プログラムによる体験学習が、高校生の人間関係における緊張感を緩和し、クラスイメージについての好意的変化に影響を及ぼすだけでなく、クラスへの帰属的意識を高め、自然認識と環境保護意志の涵養に有効であることが明らかになった。こうした環境教育は、学校教育にとどまらず、企業教育、生涯教育など様々な分野に広がり、関心も高まっている。しかし、いまだに、環境への知識が浸透してきているにも関わらず、それが、行動へ反映していないという現状がある。環境省の意識調査においても、ゴミの分別などルール化されたものや、節電・節水など容易にでき直接的に家計に関係のある項目以外、ほとんどの項目で50%以下の実施率になっていることが明らかとなった。現在の環境教育にはこういった、「高態度低行動」が現状として挙げられる。この現状を「高態度行行動」へとシフトする為、今後の課題としては、現在の環境教育の利点を踏まえ、費用負担意志を高める具体的な教育プログラムの提案、および教育効果が重要となってくることが明らかになった。

感想

現代では、公害問題や世界各地で起きている自然災害の認知から様々な環境へのプログラムが実施されてきた。しかし、その実態を見るとそのプログラムの効果がしっかりと数字として反映しているとは言えない。実際に、私たちMoribito班が活動をしていても、自然配慮行動をしている人たちの年齢層は高く、若者たちは、環境への知識はあるものの行動へと移すものの数は少ない。今回、本稿を読み深く理解したことは、一人一人の費用負担意志を高めることである。しかし、この対策案を実現することはそう簡単なことではない。一人一人の自然への配慮を高めるためにも、更なる、危機感を人々が感じられるようなプログラムを導入しなくてはならないと考えた。最近では、オーストラリアの山火事で数多くの動物たちが被害にあった。この問題にアプローチできた人は何人いるだろうか。費用負担意志の向上の前に、現状を知ることから始めなければならないのかもしれない。

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