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『里山の植生管理による種多様性の増加』

著:山崎寛 青木京子 服部保 武田義明(1999) ランドスケープ研究より


要旨

本研究は、兵庫県の里山林整備事業が進める植生管理手法(里山の高林化)の種多様性に対する有効性について、事業地の追跡調査を行い、その結果を報告したものである。


兵庫県は、里山の高林化・種多様性の増加を目指して、高木優占種(アカマツ・コナラなど)を残し、照葉低木類、ササ類の伐採等の植生管理を行った。

植生調査では、兵庫県の里山林整備事業地9ケ所に定置調査区12区を設置し、管理前から管理後最長3年目までの追跡が行われた。

その結果、管理前後の植生を比較すると、管理後において種数の明瞭な増加が認められた。

なお、増加した種は、里山 の主要構成種であるブナクラスの種が中心であった。


これらのことから、兵庫県が里山林整備事業で行っている管理手法(高林化)は、種多様性を増加させるのに有効であると考えられる。


感想

本稿で注目されているのは、皿池湿原に植生しているような希少種ではなく、ブナなどの比較的一般的な生物種である。


とはいえ、私たちが活動拠点を置く兵庫県での里山管理に関する論文であるため、気候などの条件において共通点が多くみられる

そのため、日頃行っている皿池湿原での整備活動の意義を見出すことができる。


参考文献

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