Thomas Beery, Louise Chawla, Peter Levin
【要旨】
本論では、2〜5歳児における自然とのつながりの意味・評価・発達について、半構造化インタビューと調査への回答を通じて、パネル参加者が幼児期の自然とのつながりに関する洞察を提供し、この年齢層における自然とのつながりに関する既存の測定法を検討している。人々の自然とのつながりを体系的に調査する研究の多くは、成人または学齢期の子どもや青年を対象としている。しかし、幼児期は、子どもが周囲の世界との関係の基本的なパターンを学び、家族や社会の文脈の中で物事の意味や価値を理解する形成期である。したがって、このような幼児期に自然との結びつきがどのように発達し始めるかを考えることは重要だと本論では考えられている。本論は、パネルディスカッションで出された意見をまとめたものであり、分析の結果の一つは、自然の中で過ごす時間の量と質の両方の重要性を強調するものであった。また、本論は、2〜5歳児にとっての自然とのつながりの意味、自然とのつながりを実現するために重要なこと、自然とのつながりを実現するために必要なことを検討し、自然界との関係における幼児の存在となり方、および自然とのつながりアセスメントについて考察していた。また、最後には、この年齢層に対するアプローチや浮かび上がった主要なテーマについて議論しており、今後の研究と実践への示唆として持続可能な未来と、自然との触れ合いの重要性が2点挙げられていた。
【感想】
子どもたちは、自然の中での共感や好奇心といった体験をして、大人の役割を学びながら成長していく。この過程により、子どもたちが成長しても自然を求め続ける動機付けになる。幼少期の自然体験を通して、子どもたちは言葉で表現する前に、自然界の一部を感じ始めている。この始まりから、自然を大切にし、互いに助け合う責任があることを認識することになる。そのためには、すべての子どもたちが自然に触れられるようにすることが必要である。本論での参加者は、自然へのアクセスについて、さまざまな角度から議論していた。例えば、動物との直接的な触れ合いといったローカルなレベルのものから、「虹」のような広い文脈のものまで、さまざまな方法があった。本論において、「農村部、郊外、都市部など、住んでいる地域に関係なくアクセスできるのでしょうか」「影響力のある大人は、彼らが住み、学び、暮らす場所に自然をもたらす必要がある」というような内容があった。まず自然の中に子どもたちを連れ出すことが重要となる。しかし、自然を身近なものにするためには、様々な工夫が必要であることを忘れてはならない。ここで、Nature to Future2022でも、子どもたち、そして大人の方にも、自然をより身近に感じてもらえるような工夫を施す必要があると感じた。子どもが楽しく自然体験ができるよう、体験教室内での子どもと親の関わり方も考えてみたり、今なにに子どもの意識が向いているかを見極め、上手に興味を引き出してみたりもする必要があると感じた。また、子どもたちだけでなく、大人の方にも自然と触れ合えるような機会を提供できるようにしたい
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