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【10月 日本語論文】子どもの自然観形成への影響を考える― 子ども向け昆虫イベントにおける外来甲虫の扱われ方を素材として ―神山 智美

【要旨】

本論では、昨今の外来甲虫事情と外来甲虫問題の特徴、更に、子ども向け甲虫ゲームの問題点を考察し、2007年夏の子ども向けイベントにおける外来甲虫の扱われ方の調査結果を示し、イベントでの子どもたちの動静の観察を踏まえ、子どもたちが受けうる影響について若干の考察を加えて述べられている。その項目としては、①昨今の外来甲虫事情、②外来甲虫問題の特徴、③子ども向け文化の中の外来甲虫たち、④甲虫イベントにおける外来甲虫の扱われ方、⑤大人に求められているものは何か、についてである。結果としては、「文化のあり方が問われている」というが書かれており、子どもたちが科学の視点を身に付けること で、点数化や金額で測る価値ではなく自然と人間 社会との関わりや生態系保全がもつ重要性そのものを認識できるような条件を整えていかなくてはならなく、その意味で、我々大人の環境教育における指導力や、文化のあり方そのものが、いままさに問われているとされている。


【感想】

これから本格的にMoribitoの一員として活動するにあたり、虫取りや虫の観察会というようなイベントを開催したいと考えているため、今回この論文を読ませていただいた。

印象に残ったのは、「まずは大人が科学的自然観を持ち 正しく活用することである。」という文章である。本論で述べられていたように、現代の大人は社会の中で子どもたちに人気のあるゲームを作り買い与え、イベントにも子どもの志向を利用し、決してその科学的自然観を正しく生かせているとは思えない。とはいえ、コロナウイルスの影響により、外出自粛が当たり前となり、お家で過ごすという日々が続いたため、ゲームを子どもに買い与えた親御さんも多いだろう。しかし、コロナウイルスが落ち着いてきている様なので、是非、大人(特に親御さん)は自身も子どもたちの身近な手本として、正確な科学的自然観というものを子どもたちに示していくべきであると本論読み、考えるようになった。そして、私自身、貴重な自然を次の世代に引き継いでいくため、活動に邁進していきたいという思いがより強くなった。

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